前半はかゆいところに手が届く的な記載が多くてすごくよかった。使途不明金の反論パターンとか、本来であれば経験の蓄積がないと把握できない知識が得られる。特別機余分の限界事例のケースも同様の有用性。あとは相続放棄についてこれくらい充実したボリュームで書かれている実務書は意外と他にないと思うので、放棄周りの
...続きを読むケースが充実しているのも助かる。そんなにクリティカルな論点と扱われてないのにたまに訊かれてしどろもどろになりがちなので。
他方で後半はページ稼ぎのような印象を受けた。自筆性のあたりは事例判断のあてはめを羅列しただけで深い分析はなされていないし、最後の民事信託の章は相続関係の困難事例解決の指針を示すという本書のコンセプトからずれてない?