子供用の本だが、全くバカにできない。狩猟や農耕が始まってから都市国家ができるまでの流れを、実に簡潔に、分かりやすく書いてある。イラスト入りで56ページ。文明がどうやって開かれていったのか、まさに眼の開く思いで読ませてもらった。要点を挙げると、
ー東南アジアでは農耕の初めはバナナや芋の株分けだった。
...続きを読む熱帯雨林だったため。
ー一方、西アジアは土地が乾いており、麦などの穀物が中心となった。
ー西アジアの穀物の農耕が、灌漑技術および道具の発展を促した。
ー穀物は年に一度の収穫となるため、保管するという行為も伴うようになった。
ー生産能力と保管技術の向上により、余力が出ることで、直接生産に関わらない仕事もできるようになった。
ー神官のような職業や工業的な職業など、分業が進んだ。
ー以上によりコミュニティが発達し、都市は、国家へと発展した。
ー食糧の保存→他からの略奪→軍隊による防御、といった展開も都市国家の発展の一旦を担った。
ー西アジアで先行して文明が発展した理由も、上記による。
といったところになります。なるほどなるほど。
実にわかりやすく、しっくりきました。もちろん見方の一面ではあるのでしょうが、大いに勉強になりました。
企業の成長にも似たところがあるのかも。