中川コージの作品一覧
「中川コージ」の「インドビジネスのオモテとウラ 14億人市場の「世界でいちばん面倒くさい国」」「巨大中国を動かす紅い方程式 モンスター化する9000万人党組織の世界戦略」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
経済安全保障というキーワードはまだ国内でも明確な定義や共通認識が定まっていないが、本書を読めば国際情勢に対する冷静な理解に基づき、現実的に日本が何をすればよいか見えてくる。
著者の中川コージ氏は救国シンクタンクでのハイブリッドストラグルに関する提言をされており、過去の著書でも中国(中国共産党をトップとする中華人民共和国と人民解放軍がぶら下がっている構造)に関する分かりやすい解説をされていることは知っていたが、
当書では、上記の中川コージ氏の専門的な領域のみならず経済安全保障という広い領域で分析と提言をされている。
ウイグル、GDPR、三法、ベリングキャット、カウンターインテリジェンス等の最近個人的に興味を持ってきたキーワードが散りばめられていることで、最後まで興味を持って読むことができた。
対中国としての経済安全保障を考えるとき、日本人は郷愁も含めてデカップリングやブロック経済的なことを考えるが、
多くの産業が世界的なサプライチェーンで成り立っていることや中国の枠組みに参加する国が多く、逆に米国をはじめとした先進国に足並み揃える国が減っていることを前提にすると、
そうした経済安全保障論は現実的ではない。
中国の持つビッグデータを日本の信用により取引する、という当書記載の例のように、超大国が持つ資源などに対して日本が持つ優位性を当てはめて、かつ日本がなければうまく世界が回らなくなるようなルール作りをすることが理想である。
先進国と相容れない人権意識を持つ途上国や非民主主義国家は中国の一帯一路構想に参加しやすく、
中国としても一度拡げた構想であるが故に、
債務の焦げつきがあろうが、党の熱意もあり、徹底してこの枠組みを利用し続けており、
一帯一路はオワコンにはならず、このまま生き続ける。
インドは向こう100年の間に米中と一緒にG3となることが見込まれる。
親日ではなく、親中でも親米でもない新たな超大国との関係性を日本は本気で考える必要がある。
中国は2049年までに米国を凌駕することを目指している。
それまでは国際連合ベースの秩序をうまく活用していき、今後の新秩序形成又は米国の弱体に応じて適したシナリオで仕掛けてくる。(台湾に対して)
そのときに日本だけが一人負けしないような準備が必要。
経済安全保障としての国内の政策は、米国の真似事では総花的になり、メリハリのないコスト投下になる。
インテリジェンス、先端的な産業への投資、サプライチェーンの強靭化等やることは多いが、日本は地域大国だが非超大国であること、そしてこの先G3となる世界を見据えて、ニッチな領域で強みを作り、世界の仕組みの中で欠かせない立ち位置を作る必要がある。
Posted by ブクログ
国家を分析するとき、歴史(政治、国際関係)、文化、安全保障論、などを切り口とする場合が多いが、
本書は組織論、組織管理学寄りの視点で、中国共産党を中心とした中国の組織構造を捉えた、かつある意味で学術的な深掘りはせずにそれなりの深さで全体像を理解できる分析となっている。
中国のこと気になるし視座が欲しいけど、難解そうな専門書には手が出ないという人がいるならば、おすすめの一冊。
著者自身もディープな趣味が本になった、というように、多少砕けた表現や、ニュアンスで伝える部分もあり、何かしらの学問の中国地域の専門家からは批判も受けそうな部分はあるが、一冊通しての本書の中国観はとても納得の行く論調?となっている。
分かりやすい仮説と中国社会をよく見た上での洞察が散りばめられている。
党が上で、その下に国家や軍などがある構造。
イデオロギー云々というより、党という組織をいかに守るか、党が力を得るかという、組織としての純粋な力学が働いている。
中国国民は、多少不満はあれど、中国なりの自由を享受している。
中国以外の国からすると国対国だけでなく、党というカウンターパートも強く意識する必要がある。
末端を切り捨てたり、情報操作も含めて、党中央のメンツを守る。
メディアはうまく育てている。ウソと魅力を混ぜながら99のファクトと1のプロパガンダで情報発信している。
情報統制や信用のデータベース化を推進している。
グレイゾーンを認めながら、国内で勝ち上がった企業を外敵から守って、巨大勢力に育て上げている。