大きく3部に分かれており、1部では著者が特に精通しているアドテックの仕組みを例に、GAFAが如何に日本国内の制度不在を利用してきたか、霞ヶ関はなぜ適切な対応ができなかったのか、を詳述している。
2部では、霞ヶ関の個々の省庁等の事情にさらに焦点をあて、プラットフォーム規制が成立するまでの過程を記述し
...続きを読むている。人物の人間味が感じられる記載も多くあり、プロジェクトXを観ているようだった。
3部は、昨今のCOVID19やフェイクニュースをめぐるプライバシーや表現の自由の問題に触れ、ここでもプラットフォームを如何に規制するか/あるいは共同規制のかたちにするか、について様々な論客の意見を紹介している。
総じて、国内のプラットフォーム規制をインターネットにおけるプライバシー問題を語る上での重要規制やステークホルダー(省庁等や人物)について厚く記述している。そのため、この分野に入門する人たちにとって最初に手に取るべき1冊なのではないかと感じた。