アレックスパヴェージの作品一覧

「アレックスパヴェージ」の「第八の探偵」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 第八の探偵

    第八の探偵

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,254円 (税込)
    独自の理論に基づいて、探偵小説黄金時代に一冊の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行し、その後、故郷から離れて小島に隠棲する作家グラント・マカリスター。彼のもとを訪れた編集者ジュリアは短篇集の復刊を持ちかける。ふたりは収録作をひとつひとつ読み返し、議論を交わしていくのだが……フーダニット、不可能犯罪、孤島で発見された住人の死体──7つの短篇推理小説が作中作として織り込まれた、破格のミステリ

ユーザーレビュー

  • 第八の探偵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これは面白い試み。唯一無二。

    ”作中作が7つ"という触れ込みばかりが耳に残っており、どんな話なのだろうと思っていたら、まさかのミステリ談義もの。

    形式的には、地中海の小島にひっそりと住むグラント・マカリスターが過去一作のみ私家版として出版した『ホワイトの殺人事件集』を、正式に出版したいと一人の編集者ジュリア・ハートがグラントのもとを訪れ、そこに編纂された7つの短編を読み返しながら、1作ごとにその作品の意義を対話していくというもの。

    その対話で繰り広げられるミステリ論が、グラントの言うところの”殺人ミステリ”の構成条件とでも言うべきもので大変に興味深い。
    登場人物を被害者、容疑者、探偵、犯人のグループに定義し、集合論を用いて数学的に分解する。
    作中作として提示されるのは、その構成が極端な例を主としており、登場人物=容疑者が2人で犯人が1人の場合(どちらかが犯人。お互いはどちらが犯人かわかっている。知らぬは読者ばかり。)、容疑者グループと犯人が完全に重なる場合(そう、あの急行列車パターン!)、容疑者グループと被害者が完全に重なる場合(こちらはあの島の事件パターン)、などなど。

    そして、ミステリ構成談義が縦糸ならば横糸としてあるのが、グラントとジュリアの現実世界で起きたとされる”ホワイト殺人事件”。
    タイトルまでも似通っている『ホワイトの殺人事件集』に編纂されている7作にはこの事件を想起させる、偶然とは思えない記述が散りばめられている。
    グラントは”ホワイト殺人事件”と関わりがあるのか!?

    この作品は2022年度、このミス海外部門10位。
    1位は『ヨルガオ殺人事件』、8位に『木曜殺人クラブ』のクラシックミステリオマージュ作品が。
    また、2位に『自由研究には向かない殺人』、7位には『彼と彼女の衝撃の衝撃の瞬間』と豊作の年の年度ゆえ、このポジションに甘んじているが、ポテンシャルはもっと上。

    クリスティーオマージュを含みながらも、リバイバルのベクトルとは一線を画す試みにただただ脱帽の一冊。

    0
    2023年02月19日
  • 第八の探偵

    Posted by ブクログ

    うわぁぁぁああ!最後まで気が抜けなさすぎる!もう、めちゃくちゃ面白い!ネタバレになるから面白いしか言えないんだけど、アレがこうで?コレがああで?アレまでこうなわけ?みたいな感じです(落ち着け)新本格好きはみんな読んで!

    コレ読んだらクリスティー読みたくなるし、ホロヴィッツ読みたくなるし、解説では作中作の必読書がめちゃくちゃ並んでるから、もう積読がぐわって増えるけど、とりあえず読んで欲しい。読んで度肝抜かれて?この作者さん、コレがデビュー作らしいから。え?マジで?次作買います(笑)

    0
    2022年04月24日
  • 第八の探偵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作中作を用いた構成がよくできていた。

    ミステリ考証として面白さもありつつ、
    それぞれの短編としての面白さ、
    全体での結末変更や著作などに関する後半の章等、
    様々な側面があり、普段読むミステリとは違う楽しみ方が出来た。

    0
    2021年09月04日
  • 第八の探偵

    Posted by ブクログ

    事件には嘘がつきもの。
    様々な事件に、ラストで明かされる真実。一冊でここまで楽しませてくれて大満足です。
    解説で作中作のある本を紹介しているけど、結構あるんだなあ。そちらも読んでみたい。

    0
    2021年08月26日
  • 第八の探偵

    Posted by ブクログ

    ミステリ短篇集「ホワイトの殺人事件集」を著した後隠棲した作家を追って、彼のもとへ訪れた編集者。その本を復刊するために、短篇のひとつひとつを読み返し考察していく二人。しかしそれぞれの作品に潜む不自然な矛盾点と謎。いったい物語はどこへ向かうのか。ミステリの楽しさがこれでもかというほどに詰め込まれた一冊です。
    作中作のミステリの数々が楽しいです。どれもが王道のように見えて変則的でひねくれた作品が多いです。仕込まれた矛盾点も気になるし(自力ではなかなか気づけませんでした)、なんとなく据わりの悪い気がする結末もそれはそれで魅力的。なのだけれどまさか……ああ、これ以上は語れない! 言うべきことは、この本が一度で二度も三度も美味しいミステリだってことです。
    作中作では「青真珠島事件」がお気に入り。なんといってもあれがモチーフですし。罠の数々も邪悪で素敵です。

    0
    2021年06月30日

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