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  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー
    3.7
    1巻2,376円 (税込)
    SNSが政治を溶かす 民主主義の危機――。こう言われて何が思い浮かぶだろうか? ファシズム、暴力、そして世界大戦の夜明け……もし、こうした1930年代の光景が浮かんできたなら、それこそ危険な兆候だ(苦笑)。 本書によれば、1930年代が再現されることはまずない。過去のある時代が衝撃的だからと言って、それに固執しすぎると、より重要な他の時代の教訓を見逃すことになる。 もし、いまの危機と似ている時代があるとするなら、それは1890年代だ。貧富の差が拡大、ドレフュス事件はじめ陰謀論が跋扈し、ポピュリズムが生まれたあの時代である。このときは革新主義と世界大戦で危機を乗り越えたが、現在その選択肢はない。 本書では、クーデタ・大惨事・テクノロジーという観点から民主主義の崩壊をシミュレートする。そこにトランプはいない。中国の権威主義体制も民主主義を覆すには至らない。 では何が脅威なのか? 「トランプは登場したが、いずれ退場していく。ザッカーバーグは居続ける。これが民主主義の未来である」。ケンブリッジ大学政治学教授が描く、異色のデモクラシー論!

ユーザーレビュー

  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    Posted by ブクログ

    最近関心ある民主主義はどう終わるのかシリーズ。本書では、3つの壊れ方を示す。一つ目は「クーデターや政治的動乱」。これはまさに最近ミャンマーで起きたことを考えるとわかりやすい。ただ、著者が指摘する「成功するクーデター」は、「市民が知らないうちに、行動を起こす前に、権力移行が完了している」ものであり、ミャンマーの事例はうまくいかないのではないか。二つ目は「危機に対する感度が低くなった結果」。確かに、70年代には公害(沈黙の春)や核戦争・軍事同盟に対する反対運動などが活発だったが、現代はそれほどでもなく、いろいろなことに対する諦め感があって、この指摘には深く頷ける。三つ目は「デジタル革命の影響」。間

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    2021年03月07日
  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    心に残ったメモ
    ◇第一章-クーデタ
    ・一人当たりのGDPが8千ドル以上で民主主義が軍政化した例はない。
    ・民主主義を隠れ蓑にしたクーデタが存在する
     民主主義が確立された国では民主主義とそれを転覆させる行為の境界が曖昧になっている
    ・二十一世紀は陰謀論の黄金時代になりつつある。
    ・陰謀論はポピュリズム(エリートが人々から民主主義を奪ったと考える人)の論理
    ・総力戦の無い時代にポピュリズムの根を取り除くのはとても難しい。
    ・混沌や暴力を原動力として最善の形を引き出すことが民主主義の強さの一つ

    ◇第二章-大惨事
    ・政治家の痛いところを突くには存亡の危機を持ち出すことが有効である
    ・ゲーム理論の問

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    2021年01月26日
  • 民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー

    Posted by ブクログ

    民主主義のこれからを考えるうえで勉強になる。
    歴史的考察を踏まえ、色々な視点で現状の背景、そこから起こりうる事象を提示している。
    民主主義は中年を迎えている。あとはどのように終焉するか。

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    2022年03月09日

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