作品一覧

  • ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制

    ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,177円 (税込)
    約三〇年前、ソ連・東欧の社会主義政治体制は崩壊した。議会制=ソヴェト制の外観の下、一党制または事実上の単一政党制を採用していた国々は、複数政党制を前提とする新しい政治体制への転換を迫られた。以来現在まで、これらの国々では幾度となく政治体制の変更が行われ、それは時に暴力を伴う。この政治体制のダイナミックな変化を理解する鍵となるのが、ポスト社会主義圏に多く見られる「準大統領制」というシステムである。地政学的対立とポピュリズムに翻弄されたソ連崩壊後の三〇年を、大統領・議会・首相の関係から読み解く。
  • ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻1,397円 (税込)
    冷戦終了後、ユーラシア世界はいったん安定したというイメージは誤りだ。ソ連末期以来の社会変動が続いてきた結果としていまのウクライナ情勢がある。世界的に有名なウクライナ研究者が、命がけの現地調査と100人を超える政治家・活動家へのインタビューに基づき、ウクライナ、クリミア、ドンバスの現代史を深層分析。ユーロマイダン革命、ロシアのクリミア併合、ドンバスの分離政権と戦争、ロシアの対ウクライナ開戦準備など、その知られざる実態を内側から徹底解明する。

ユーザーレビュー

  • ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    Posted by ブクログ

    毎日新聞の書評欄「今週の本棚」で、加藤陽子が、読後ロシアの対ウクライナ戦争の印象がガラリと変わると評して絶賛した書である。
    第六章のまとめで以下のように述べている。
    『そもそも分離紛争は、「国の領土は大きければ大きいほど良い」、「領土を失うことは、人間が手足をもがれるのと同じ」などという国家表象を人々が捨て、国連信託統治のような非・主権国家的な解決法が大規模に採用されるようにならない限り、解決が難しい問題なのである。 最も現実的な紛争解決策は一時凌ぎの停戦協定を綻びを繕いながら、何十年でももたせて、人々の国家表象や国際法の通説的解釈が変わるのを待つことである。分離紛争を解決して恒久的な平和を目指そうなどとするとかえって戦争を誘発する。 』

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    2024年04月22日
  • ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    Posted by ブクログ

    副題に「ソ連崩壊から露ウ戦争まで」とあります。いよいよ3年目に突入する今度の戦争の原点を2014年のクリミア併合に置く報道には接したことがありますが、そもそもをソ連が解体する際の手続きに求めるという指摘に驚きを覚えました。ソ連、連邦構成共和国、自治単位という三層構造のなかで行政区分である親国家優先主義が今回の戦争の原因としています。それがゴロバチョフとエリツィンの抗争から生まれていることも、なるほど…です。自治単位の中でも多数を占める民族とそうでない民族、あるいはもともといた民族の問題もわかっていませんでした。露ウ戦争は2022年2月24日から始まりますが、親国家であるウクライナの内戦はずっと続いていたのですね。さらに遡ると第二次世界大戦の独ソ戦にまで繋がりプーチンがウクライナをネオナチ呼ばわりするのは比喩ではなく本気でそう思っていることも理解できました。なるほど、そういうことだったのか!とか、えっ、やばいじゃん!の連続で、しかもそれを現地でキーマンや市井の人々との交流から描き出しているのも驚きです。こんなに主要登場人物と著者のツーショット写真が掲載されている新書見たことありません。ただ登場人物の名前がユシチェンコ、ヤヌコヴィッチ、ティモシェンコ…名前がややこしくて行ったり来たり、ちょっと苦労しました。でも登場人物たちの心の動きが詳細で大きな物語が小さな心情で動いていることもこの本を生き生きさせています。まるでウクライナ版「仁義なき戦い」みたい。そして、この戦争の結末もタイムスパンの長いものとしていることにもため息が出ます。追記:P94で図が掲載されている「錯綜した亀裂」「オーバーラップした亀裂」の対比は矛盾だらけの世界を乗り越えるためのフレームワークとして目鱗でした。選挙の争点として、わかりやすい、は、やばい?

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    2024年02月18日
  • ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    Posted by ブクログ

    ソ連の自壊の結果、たなぼた式で生まれたウクライナは、先祖伝来ウクライナ語でない言語で話し、書き、考えてきた住民、ウクライナ民族史観で英雄とされる人物たちに迫害された住民も抱え込んでしまった。そうした場合には、中立五原則に基づいて、民族国家ではなく市民的な国家を作ることが妥当な戦略であっただろう。残念ながら、独立後30年間のウクライナは、この反対の方向に向かって進んできた。特に、いわゆる親欧米政権においては、『経済実績が悪いので、選挙が近づくと民族主義=国民分断に頼る。その結果、ますます経済が悪くなる。』という悪循環も見られるようになった。

    上記は本書からの一部抜粋であるが、個人的には、クリミアと東部4州は現状のままロシアに併合された方が社会的には今後安定していくだろうと感じた。(住民投票の結果もそれを反映しているのだろう。)

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    2023年11月03日
  • ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで

    Posted by ブクログ

    既に1年半も戦禍が続く「ウクライナ」が、昨今の大きな話題であると思うのだが、本書は「ウクライナ」の情勢経過に関する本としては「非常に佳いモノの一つ」として挙げて間違いないと思う。
    2022年2月からのロシアによる本格的侵攻を受け、「ウクライナ」に関しての知識が色々と求められ続けていると思う。そして関係する事項への観方も様々であろう。故に過去に登場している本が注目される場合も在ったと思う。そして2022年春頃からだと思うが、様々な本が登場し続けていると見受けられる。本書も、「あとがき」によれば2022年春頃から約1年で準備されたという。
    現今の「ウクライナ」に関しては、1991年に現行の国の体制がスタートした「ポストソ連」の色々なことが何やら「雑?」で、国内での様々な争いが時間を負って煩瑣になって、クリミアやドンバスという地域の問題が先鋭化して「侵攻(開戦)」に至ったという程度には観ていた。本書はそういうような経過に関して、詳しく、幅広く、著者が続けている研究の成果や少し前の研究調査のためのウクライナ訪問での御経験を色々と織り込んで綴られている。「あとがき」の部分迄含めて502ページと、こういう「新書」としては許容されそうな範囲で最も厚いような一冊となっていると思う。
    ソ連時代の後の“国”が形成されて行く様子や以降の事、「ユーロマイダン革命」を巡る事、クリミアの事、ドンバスで戦いが始まった事、「ドネツク人民共和国」の推移や諸問題というような事、それらを踏まえて目下の戦争の経過、そして「ウクライナは如何する?如何なる?」という纏めになる。章毎に読み進めれば、厚い本であることは全く気にならず、内容に引き込まれてしまう。
    結局は、2013年から2014年の「ユーロマイダン革命」という辺りから2022年頃迄の経過に、「ウクライナ」が登場して来た1990年代頃の事柄を加えたというような内容が本書には盛り込まれていると思う。加えて本書の内容は、「国が興る?」、「興った国が存続する?」というより大きな問題に思いを巡らせる入口ともなり得るかもしれない。
    事態や事情が伝えられる中で登場する、少し聞き覚えも在る事項について、本書ではその経過や幾つかの観方を詳しく説明している。そういうのが凄く有益だと思う。
    「ウクライナ」は、色々な背景の人達が「偶々在る」という範囲が、偶々現在の国境になったというような一面が在ると見受けられる。譬えて言うなら、黒に白を加えると出来る濃淡が様々な灰色の部分が寄せ集まったモザイクのような感じだ。そういう状態の中で「黒か?!白か?!」と詰め寄るようなことをしても、色々な意味合いでギクシャクしてしまう。2000年代位、更に2010年代位のウクライナでは、そういう「ギクシャク」が発生していたという一面は在るかもしれない。
    2022年2月からのロシアによる本格的侵攻という中、その少し後の時期には、何か「先着争い?」のように方々で「ロシア非難!」だったと記憶する。勿論、「侵攻」そのものは「止めなさい!!」としか言えない事であるとは思う。が、事態に至ってしまった経過を直ぐに誰でも理解していたのでもないであろう。そして幅広い人達にとって、理解の一助になるような材料が潤沢に在ったという程でもないと思う。本書はその「理解してみたい経緯」に非常に詳しい。「ウクライナの中での問題」も実は色々と在った。そしてそれらの解決は如何なるのかということも在るであろう。今からでも遅くはない。本書に触れて学ぶべきだと思う。
    「ウクライナ」の情勢経過に関する本としては「非常に佳いモノの一つ」である、なかなかの労作である本書が登場したことを感謝したい。そして広く御薦めしたい。

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    2023年08月17日
  • ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制

    Posted by ブクログ

    題名の「ポスト社会主義」という表現に強く惹かれて手にした一冊で、大変に興味深く拝読した。
    本書では「社会主義」を標榜していた経過が在り、その限りでもない体制に切り替えて、以降に様々な経過を辿った国々の情況を取上げて論じている。数在るそうした国々の中から、本書で取上げられているのは、ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァである。殊にウクライナに関して興味深く拝読した。
    公選の“大統領”が在って、同時に選任と任命の方法等は様々でも“首相”が在る体制を「準大統領制」と本書ではしている。米国のような「大統領制」と、日本のような「議会制」との中間のようで、そのニュアンスが色々と在るので各国毎に色々な様子は見受けられる。
    「社会主義」を標榜していた国々が、その限りでもないということになったのは、上述の国々の中ではポーランドがやや早く、ソ連の中の共和国であった経過の国々としてはリトアニアが少し早いが、概ね「ソ連後」なので、30年間余りを経たことになる。30年間余りの中、ポーランドやリトアニアは欧州連合にも入っている「西側」になっていて、アルメニアはロシアとの関係が深く、ウクライナやモルドヴァは西側とロシアとの間での争いの舞台のような様子とも見受けられる。既に各々の様々な変遷の経過が在る。
    本書は、その概ね30年間の経過に関して、「巷で思い込まれている?」ということを排し、「歴史」として変遷や課題と見受けられる事柄を述べている。こういうような内容の類書は余り思い浮かばないので、なかなかに貴重だと思う。
    本書は2021年3月に登場している。内容は概ね2020年頃迄の状況ということになる。が、現在時点で読んで、些かも古過ぎるということはない。「今年」や「去年」という次元の極最近の状況にこそ言及は無いが、十分に「現在時点の状況へ至る、少し前の経過」が判り易く纏まっている。
    本書で取上げられている国々では、「社会主義」の体制の後に、著者が「準大統領制」としている体制を色々と変えている。現在に至って、或る程度落ち着いているように見える例も、未だこれから色々と在りそうな感じの例も交っていると思う。
    ウクライナに関しては、目下の戦争のことも在って、「そこへ至る迄の変遷」に関心が在ったので、殊に興味深く拝読した。そしてその内容には少し驚かされた面も在った。
    ウクライナでは、大統領の権限や議会議員の選挙、その他色々なことが何回も変わっている。憲法も何度も変わっているが、中には「憲法の規定に鑑みて疑問?」という例迄交っている。そういうような中、言語、宗教、歴史認識というセンシティヴな問題に、政局的な思惑で手を付けて、後の社会的な混乱の遠因になっているというような出来事も起こってしまっているようだ。
    自身は「ソ連の後」という国々には高い関心を寄せて来た。そうした意味で本書は大変に興味深かった。「30年間程で体制を大きく変えて」というのは「何となく停滞?」という日本国内では解り悪いと思う。故に本書の内容は、その「大きく変えて」のあらましが掴み易い。広く御薦めしたい。

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    2023年08月12日

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