弘中綾香の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
一気に読み終わった。すごく丁寧で分かりやすく豊かな言葉遣いですごく読みやすく、内容がストンと入ってきた。
収録にあるウエム先生が素敵な方。先生も言ってたけど、近道なんてなくどんな経験が実りにつながるか分からない世界、大小の経験や言葉を自分なりに咀嚼してじっくり落とし込むのが上手いなあと感じた。
また自分のことも顧みながら、周りの環境は本当に大事だと思った。特に、ほっといてくれる尊重し合う環境に身を置けることはありがたい。
締めの言葉もすごく良かった。
▷いちいち真に受けて答えていたらきりがないから、しなやかにいなすのだ。自分の中でここからは守るべき世界、ここからは外野と境界線を引くことでバランスを保とうとしている。
▷「男は踏み台。使い捨て。」男女間にとらわれることなく、一人の人間として自立してほしいと。誰かに頼らないと生きていけないような人生にはするなと。・・・表層では私たちを認めていても深層の根っこの部分では認めていない人。そんな人に出会った時に、私たちの背中を押してくれるのはこの言葉なのだ。
▷人それぞれ持っている「何か」は違っていて、それが光るタイミングも私たちはコントロールできず、人生の意外な局面で思いもよらない出来事によって出会ってしまう。・・・知らないことに挑戦するんだ!と意気込むとうまくいかなかったときのことを考えて悲観的になってしまうけれど、ビンゴカードのマスが開くかあかないか確かめるぐらいの気持ちだったら怖くない。
Posted by ブクログ
アンクールな人生
著者:弘中綾香
『ミュージックステーション』『激レアさんを連れてきた。』『ノブナカなんなん?』など人気番組のレギュラーを多数担当されるアナウンサー、弘中綾香さんのエッセイ。
小学生時代から『好きな女性アナウンサー』3年連続1位になる現在までを振り返る回顧録のような内容だった。
中学受験、女子校、慶應、アナウンサー。
肩書きだけ見ると、テレビ越しのキラキラした芸能界で働く順風満帆なイメージを持ってしまうが、本書で登場するエピソード、悩み、言葉のチョイスのどれもが、自分とかなり近い感覚、距離感で描かれている。
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周りの同級生を見てみると、なんだか輝いて見えた。あの子は足が速くてスポーツが出来る、あの子は私より後にピアノを始めたのにもう抜かされた、あの子は海外育ちたから英語が喋れる。私は、と思っときに何も浮かばなかった。何かの才能があるわけでも、得意なことが見つかっていたわけでもなかった。p16
そもそもなぜこのワグネルに入ったのかと聞かれたら、消極的な理由ばかり思い出す。スポーツが苦手で運動系の部活には入れなかったとか、両親にヴァイオリンを買ってもらった手前続けるしかないと思ったとか。他の子に比べて元々のモチベーションが低かった。周りには幼い頃に楽器を始めて私と比べ物にならないくらいレベルが高い子が沢山いて、今更どう必死に練習してあがいたって肩を並べるのは無理、とはなから匙を投げていた部分もある。p143
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他人と比べて劣等感を抱いたり、デリカシーのない発言に傷ついたり、仕事への成長実感が希薄になっていったり。後悔や諦めの数々。人に影響を与えるというより、周りに流されてきたタイプ。
生きていれば一度は直面したことがあるような光景。事件も事故も起きない。脚色されていないリアルさが読んでいて心地良く、実物大の経験が、飾らない言葉が、足跡の様に筆者の歩んだ道やその強さを形作っていると思う。
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ああ、今月もちゃんと生きたなあ、と思う。現代病か?いいや、私は、そんな簡単な自己満足で来月もきっと走り抜ける。P30
私は自分にまったく期待していない。期待値が低いからこそ、下から見上げることができるのだ。自分の目線を下げるだけ。これは、自分に自信があることとは真逆のことを言っている。でも、面白いことに自信があるように見えてしまうのだ。この一見ハッタリにも見えるカラクリが、のらりくらりとやっていけるコツのような気がする。p36
自分の中から湧き上がってくる感情や、奥底にしまっておいた遠い記憶に、どんな言葉をあてはめたらふさわしいだろうと考えて一字一字打ち込んでいく作業が私にとって書くということなんだと思う。忘れてしまう一歩手前ですくいあげて、可視化していくような。p89
人それぞれ持っている「何か」は違っていて、それが光る場所もタイミングも私たちではコントロールできず、人生の意外な局面で思いもよらない出来事によって出会ってしまうということ。
(中略)
意外とミシンが上手いとか、スペイン語が喋れるとか、カーリングが上手とか。生まれた時から持っている自分だけに配られたビンゴカードのように、どこかのタイミングで新しい経験をして、私の中の「何か」が開いていく。どんなことが待っているのか、今は楽しみ。知らないことに挑戦するんだ!と意気込むと上手くいかなかったときのことを考えて悲観的になってしまうけれど、ビンゴカードのマスが開くか開かないか確かめるくらいの気持ちだったら怖くない。p220
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巻末の対談でも言及されていた内容だが、人は何かに悩んだ時、壁にぶつかった時、自信がなくなった時、すぐに正解や目標への最短距離を取ろうと必死になる。〇〇になる為にやっておいた方がいいことは何か、失敗しない為に何が必要か。
ただ、回り道をして気づけた花の綺麗さがあるように、人生何が栄養になるか分からない。決してかっこいいとは言えない人生、アンクールな人生だって案外悪くないんじゃないかと思った。