第19回このミスの「隠し玉」と言う位置づけで出版された作品。
カラスが人を襲うようになり、そのカラスに襲われた人が鳥インフルエンザに罹り、亡くなるという事例が多数発生する。
少し前からカラスが狂暴化していることに、注目していた新聞記者2年目の権執印は、事前に知り合っていた大学の研究者たちに独自の取材
...続きを読むを続け、個人でスクープを狙おうとするが、いつしか権執印自体が尾行されたり、脅迫されたりするようになる。
2年目の記者の割にはふてぶてしい主人公に好感が持てない。主人公の同棲相手のハリーポッターマニアの設定の意味も分からない。
ただ難しいウイルスやゲノムなどの説明は理路整然として、分かりやすい。
何だか全体的にちぐはぐした印象の文章なのだが、解説を読んで納得。
現役のベテラン新聞記者が書いた小説なのだそう。
ノンフィクションの作品は何冊か刊行されていて、これが小説デビューとのこと。
今の世の中、何かと注目されがちなバイオサスペンスとしては、いたって普通な感じ。
可もなく不可もなく、内容に無理もない。
そんな感じ。