人工知能(AI)が導く未来はユートピアか、それともディストピアか。マイクロソフトCTOが、AIの可能性について語る書籍。
AIがすでに姿を現している以上、私たちはAI技術の開発を続けなくてはならない。なぜなら、AIは産業革命時における蒸気機関のように大きな可能性を秘めているからだ。
開発しない国は
...続きを読む生活の質が下がり、国際的な競争力も落ちるだろう。
AIは、誰もが豊かさとチャンスを手にするための強力な手段になる。その活用法として、次の3つがある。
①豊かさを生み出して基本的な欲求を満たす
AIの活用により、食料など必要な資源の欠乏は解消される可能性がある。例えば、AIで農業を最適化・自動化すれば、食料生産を増やすことができるかもしれない。
②人間の創造性と起業家精神を加速させる
人間のクリエイティビティーを刺激し、以前には考えられなかった方法でビジネスや雇用が生み出される。
③人間と世界への理解を深める
膨大なデータの分類や、人間には見分けられないパターンの発見が可能になる。例えば環境活動家は、機械学習を用いて絶滅の恐れのある野生動物を追跡し、保護している。
AIは、人間が作り出した中で、最も強力なツールになり得る。
AIは、社会を一変させた電気と同じく、他のテクノロジーの土台となるプラットフォーム技術である上に、自らを糧に自らを改善していく「フィードバックループ」を持つからだ。
現実世界は複雑で、人間なら子どもでもできることが、機械には難しい。従って、多くのビジネスでは、AIは人間の雇用を奪うものではなく、サポートするものになる可能性が高い。