■ユーザーが何が「サービス」かを定義する
ユーザーが最終的な目的を達成できるようにするために、各ピースがどのように連携するかを適切にデザインすることは、実現可能であるだけでなく、サービスの成功に不可欠である。
原則1 見つけやすいこと
・よいサービスは動詞で表される/悪いサービスは名詞で表される
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1 ユーザーにあなたのサービスを見つけてもらうことを考えるとき、最も重要となるのはサービスの名称
2 名称は、ユーザーがやろうとすることを反映しているべき
3 名称には、ユーザーが理解できることばを使うべき
原則2 目的が明確であること
1 あなたのサービスがユーザーのために何を、なぜ、どんな仕組みで、どのような人に向けて行うのかを考える。
2 1で考えたことを、サービスの名称、説明、仕組みを表すインターフェースを通して明確にユーザーに伝える
原則3 ユーザーがサービスに期待することを定めていること
1 ユーザーがあなたのサービスに対し何を期待するかを理解する
2 それらの期待が「普遍的な期待」「想定される期待」「外れ値的な期待」かを見極める
3 それらの期待に応えられるよう最大限努力する。もし応えられない場合は、ユーザーにその理由を説明する。
原則4 ユーザーが自分の目的を果たせること
1 ユーザーが達成しようとしていることが何かを理解する。
2 そのサービスの他の部分を提供するのがだれかを把握し、彼らが自分の組織とどう関わるのかをよく理解する。
3 自分の組織がそのサービスのすべてを提供する能力があるかどうかを見極め、もしできないと判断した場合は、サービスの開始地点から終了地点までの間で自分たちのサービスが担うべき合理的な領域がどこなのかを割り出す。
4 サービスのどの部分を最初に提供するのが妥当かを考える。1つのサービスの最初から最後までを担うと決めたからといって、すべてを1度に提供する必要はない。小さなことから提供し始めて、段階的に足したり改善したりしていくのがよい。
5 同じサービスを提供している組織間でデータをどのように共有できるかに注目しよう。他の組織と共有することで、ユーザーがサービスを使いやすくなるようなデータがあるだろうか?よりよいサービスを提供するために、他の組織から得たいデータは何か?
原則5 馴染みのある仕組みで機能すること
1 競合他社が行っているサービスがどのように機能しているかを調査し、そのパターンを探る。
2 自分たちが行っているサービスを、より簡単で直感的で、より効果的に提供する方法がないか考える
3 そのような方法を見つけた場合、それを試すことで、自分たちのサービスの仕組みに対してユーザーが既に持っている期待とどのように異なるかを理解する。
4 加えた変更が、直感的に理解できるものであることを確認する。
5 自分たちのサービスのパターンを市場に広く浸透させるために、サービスの仕組みに加えた変更を他者と共有する。
原則6 予備知識がなくても利用できること
1 あなたのサービスを見つけやすくすること
2 サービスの目的を明確に説明すること
3 ユーザーの知識量を憶測で決めないこと
4 ユーザーに馴染みのある仕組みを採用すること
5 組織構造にとらわれずに機能するサービスの仕組みにすること
原則7 組織構造にとらわれないこと
1 あなたの組織内の部署、または同じサービスの一部を提供するかもしれない他の組織に潜在するサイロ化の可能性を認識する。
2 運用モデルを変更できない場合は、コミュニケーションの取り方やコラボレーションの仕方を変える。
3 人々の共同作業を助けるために、規格やゴールやインセンティブを共有するなど、コラボレーションに必要となる寛容な環境を作り出す要素について考える。
原則8 必要最小限の手順で目的が達成できること
1 サービス内でユーザーが意思決定する必要がある場所を確認する
2 ユーザーが1つのタスクに集中できるようにする
3 ステップがどれほど速く、もしくはどれほど遅く進む必要があるかを考える
原則9 首尾一貫していること
1 一貫性が失われると、信頼も失う
2 スーパースター級のスキルよりも、組織全体の能力に力を入れる
3 ユーザーに関して個別の意思決定ができる権限をスタッフに与える
原則10 袋小路がないこと
1 サービスの利用資格を持たない人には、先に進むための別ルートを提示する
2 サービスの複雑さを均等に分散させる
3 どのような人にも利用できるサービスにする
4 ユーザーに求める「必要条件」を最小限に抑える
5 ユーザーに行為を促すようデザインする
6 サービスの「後退」を上手に行う
原則11 だれもが平等に利用できること
1 サービスが安全であることを明確にする
2 サービスが知覚可能であることを明確にする
3 サービスが理解可能であることを明確にする
4 サービスが操作可能であることを明確にする
5 サービスが長持ちするものであることを明確にする
6 サービスが平等なものであることを明確にする
原則12 ユーザーとスタッフの正しい行動を促すこと
1 あなたが達成しようとしていることが何かを忘れないようにする
2 ユーザーに期待する行動と、自分のサービスのスタッフや組織に期待する行動とのバランスを図ることに集中する。どちらか一方にだけ焦点を当てないようにしよう。
3 サービスのビジネスモデル、スタッフの目標、そしてユーザーとサービスの関わり方にいたるまで、どのような成果を達成しようとしているのかを組織のどの層にも伝え浸透させる。
原則13 変更に素早く対応できること
1 変更の中には、予測がつくものと、予測はつかないが見越すことができるものがある。すべてのことが変わりうるという前提で、ユーザーが自身の情報を容易に変更できるサービスをデザインする。
2 サービスの利用期間中にユーザーに起こりうる変更をすべて割り出し、その中からサービスの機能として直接デザインに加えるべき変更と、そうでないものを見極める。後者については、それらがサービスの他の側面にどのような影響を与えるかについて考える
3 サービスの仕組みに直接影響する変更については、その情報がサービスに関与する時点で、必ずユーザーに変更を行うかどうか選択させる機会を与えるようにする。また、その変更をだれが知っていて、情報が何に使用されるのかを、ユーザー自身が認識しているかどうかをその都度確認する必要がある。
4 すべての変更が周知される必要はない。ユーザーが常に、共有したい情報を共有したい人とだけ共有できるようにすることが大切だ。
原則14 決定理由を明確に説明すること
1 下す決定が必ず有効なものであること
2 決定の透明性を確保すること
3 決定事項をきちんと伝えること
4 ユーザーが決定に対して何らかの方法で異議を申し立てられるようにすること
原則15 対人サポートを受けやすいこと
1 ユーザーが必要とするときにアクセス可能であること
2 バランスよく取り入れること
3 意思決定を行う権限を与えること
4 サービスの他の部分との一貫性が保たれていること