作品一覧

  • ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか――民主主義国の誤算
    3.0
    1巻3,080円 (税込)
    《 民主主義の危機から、戦争は現れる 》 格差、移民、差別、陰謀論……分断社会に解決策を示せないリベラル諸国。 渦巻く不安と不信、露わになるナチズムの脅威。 アメリカを代表する歴史家が描く、緊迫の第二次大戦前夜。 --------- 「他国が脅威として現れたとき、民主主義はどう対応すればいいのか」 「自国のリーダーが無謀で危険、あるいは無能とわかったとき、私たちはどう行動すべきか」 平和を望む民意を背景に、ヒトラーに譲歩を重ねる英首相チェンバレン。 ナチの脅威を一人訴え続けるチャーチル。 孤立主義の立場から機を窺う米大統領ローズヴェルト。 国内で粛清の嵐を吹き荒らすソ連のスターリン。 様々な思惑が交錯しながら、世界は戦争への道を進んでいく──。 --------- アメリカを代表する歴史家が、1930年代から40年代初頭における民主主義の危機と覚醒を鮮やかに描く。 〈 『ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか──民主主義が死ぬ日』続編 〉 --------- 【目次】 ■主な登場人物 ■プロローグ……民主主義の危機 〈 PARTI・危機 〉 ■1……首相の野望──「生存圏」の拡大 ■2……グライヴィッツ市で何があったのか──ポーランド侵攻のきっかけ ■3……「同罪」──赤軍将校の命運 ■4……「計画は模索中」──チャーチル、チェンバレン、ローズヴェルト ■5……「王は、ここでは理解していらっしゃる」──スキャンダル ■6……「将来がとても心配だ」──イギリス空軍戦闘機、スピットファイア ■7……鉄格子をこすり続ける──移民受け入れ 〈 PARTII・ミュンヘン 〉 ■8……「これだ、私が求めていたのは!」──将官たちの企て ■9……「この危険という茨のなかから」──ミュンヘン会談 ■10……銃口を突きつけられて──民主主義の苦難 ■11……「不和の種を蒔く」──分断と差別 〈 PARTIII・戦争 〉 ■12……「国民のみなさんに申し上げねばなりません......」──宣戦布告 ■13……「これがプロイセンの将校か!」──指導者への抵抗 ■14……「力を合わせて、ともに進もうではありませんか」──就任演説 ■エピローグ……「始まりの終わり」──大西洋憲章 ■訳者あとがき ■参考文献 ■主な出来事
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日
    3.6
    1巻2,420円 (税込)
    分断、移民、グローバリズム、フェイクニュース…… 独裁者は見慣れた場所から生まれる。 ナチ党の活動は、第一次大戦後に英米が押し進める国際協調、経済的にはグローバリゼーションに対する抵抗だった。 戦後賠償だけがドイツを追い詰めたわけではない。 ロシア革命などによる東方からの難民、共産主義への保守層の拒否感、社会の激しい分断、正規軍と準軍事組織の割拠、世界恐慌、「ヒトラーはコントロールできる」とするエリートたちの傲慢と誤算……アメリカを代表する研究者が描くヒトラーがドイツを掌握するまで。 ——現代は1930年代の再来? 【目次】 イントロダクション 1 八月と一一月 2 「信じてはいけない、彼が本当のことを言っていると」 3 血のメーデーと忍び寄る影 4 飢餓宰相と世界恐慌 5 国家非常事態と陰謀 6 ボヘミア上等兵と貴族騎手 7 強制的同質化と授権法 8 「あの男を追い落とさねばならない」 訳者 あとがき ナチ党が政権をとるまでの主な出来事

ユーザーレビュー

  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日

    Posted by ブクログ

    原題は『The Death of Democracy』. 1918年11月のドイツ革命から1934年8月の大統領ヒンデンブルク死去までのヴァイマル共和国からナチス政権初期までの通史本で、ヒトラーとナチスが権力を掌握するまでが書かれている。ヴァイマル共和国期のナチスの台頭を、ドイツを取り巻く経済状況とドイツの社会状況の両方からアプローチしているのが大きな特徴だ。

    当時のドイツを取り巻く経済状況について。第一次世界大戦終結後の英米中心の戦後体制は、賠償金と債務の支払い、金本位制への復帰といった緊縮財政と、安定した民主主義が一体となったリベラル資本主義だった。緊縮に反対する人々はリベラル民主主義に

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    2021年10月01日
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日

    Posted by ブクログ

    とても良い本で、今の世の中にも大きな示唆を持つ。元々はトランプ大統領が選ばれて議会占拠に至るような混乱が起こっていることを理解するために読んでみたのだが、ヒトラーが民主的プロセスにより選ばれていることだけでも日本では分からない社会的政治的背景がとてもクリアになり、歴史をきちんと学ぶという意味でも有益な読書になった。第一次大戦後の時代背景では、現代よりも差別が当たり前であり、暴力が容認されていたという違いがあるが、それだけに今の社会的環境は貴重なものであると痛感し、納得した。ヒトラーの危険性を皆が分かっていながら妥協するのも分かる部分があり、現代の我々が当たり前と思っている普遍的な価値観の尊さが

    0
    2021年02月21日
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     この一冊を読めば1918年から1945年までのドイツの内部での動き、(題名の通り)なぜドイツ国民はヒトラーを選んだのか80%位は理解出来るかなと踏んでいたが、分からなくなったというのが正直なところ。
    当初は、ヒトラーがナチスを作りユダヤ人が嫌いだから差別します。くらい分かり易い構図だと思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。
     あとがきの部分で「小さな成長で変化に気づかないけど、気がついたら頭の高さを超えていた」という引用があったがまさにその通りで、一人一人が隣人はいなくなったけど自分は大丈夫だという精神が乗数的に重なり、ナチ党、ヒトラーという大木を生み出したと捉えられるが、国民を責めること

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    2023年07月28日
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日

    Posted by ブクログ

    当時の政治家や市民の行動を詳細に追っているので、だんだん自分もその場にいるような感じになってくる。結末をしっていることなのだが、「そっちに行ってはいけない」「戻らないと危ない」とじりじりするものを感じながら読んだ。

    ドイツ国民がヒトラーとナチ党を選んだ理由は単純ではないことを学んだ。敗戦の賠償やグローバリゼーションだけではなく、多くのことが関係している。

    自分たちの受け皿となり守ってくれる政党がない、という面もあった。資本主義と社会主義、資本家と労働者など、多くの対立軸もあった。いろいろなところにナチ党が付け入るすきがあった。

    当時ヒトラーが国民に訴える社会の苦しい状況は、驚くほど現在と

    0
    2021年05月01日
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    臨場感たっぷりに描写されている箇所があり、歴史上の出来事が身近にせまってくるような読み方ができた。
    第一次世界大戦の頃のことも詳細に書かれている。ヒトラーだけに焦点を当てるのではなく、広い視野でドイツとその政治を分析することで、どのようにしてナチ党が権力を握っていったのかを紐解いていく内容だった。
    政治家たちの駆け引きは読み応えがあった。
    今の時代は1930年代に酷似していると著者は指摘する。私もそう感じており、この本を手に取った。誰にとっても他人事ではないと思う。冷静に論じていかなければならないと強く思った。

    0
    2025年10月14日

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