本書中で曲の全体がアナライズされている曲:
- Mac The Knife
- All of Me
- There Is No Greater Love
- Softly As in a Mornin Sunrise
- Just Friends
- Blues (基本的な 3 パターン)
- All The Things You Are:
- Blue In Green
- Nardis
- On Green Dolphin Street
- Dolphin Dance
- Giant Steps
- Count Down (8小節のみ)
また、All The Things You Are については、スケールのアナライズだけでなく
- ガイドライン例
- ガイドラインを使ったアドリブの例
- モチーフデベロップメントによるアドリブ例
- ガイドラインとモチーフデベロップメントの組み合わせ例
- リハモ例
の対象としてみっちり解説されています。
Blue In Green のアナライズでは、著者は曲のキーを Dマイナーとみなしていますが、B♭メジャーにも聞こえうるとしています。個人的に私の場合は Dマイナーで始まり、最後の3小節が Aマイナーに聞こえます。ただしこのうち最後の 1小節 Dm△7 は AマイナーからDマイナーにつなぐピボットコードに聞こえます。頭が固いためか、曲のキーとして B♭メジャーには聞こえないようです。
本書に現れないことで気になるのは、ピアノの左手やギターでも頻繁に使われ、特にモーダルな曲で多用される、4度重ねコード(4thコード、4度ヴォイシング、例 C F B♭)です。5度を加えた sus4 (C F G Bb)についての丁寧な考察はあるのですが、4度重ねコードは独特の浮遊感があって、sus4 とはまた違うと思っています。