前半はコーダーという人種の気質の説明、解剖学というか、取扱説明書みたいになっていて、やや極端な表現があるものの、「あるある」から始まり、後半に向けて段々と話のスケールが大きくなっていく。
コーダー(日本だとプログラマー、エンジニア)の人種や性別の多様性の問題が、作られるソフトウェアにどう影響するのか
...続きを読むというエピソードは個人的に勉強になった。
彼らを取り巻く環境が(シリコンバーレのビッグテックも例外ではなく)同質化・白人主義・男性社会に飲まれていく過程が描かれており、多様性を重んじる人にとって、読んでて辛いものもあるかもしれない。小さな差別もサービスに反映され、「スケール」してしまう。AIはリアルな人の言葉を学ぶとき、一緒に性差別や人種差別も学んでしまう 倫理観に欠けたサービスはこうやって生まれてくるんだなぁと気付きを得る。
自分がマネジメントする側に立つ日がくるとしたら、多様性に富んだ(馴れ合いではなく、よい緊張感があるような)チームを作りたいなと思う、
女性のコーダーの境遇の変化は、立場は違えど、無関心にはいられない。ある分野の給与が上がり、世間的に認められる仕事になると、以前は鼻であしらってた男性がなだれ込んできて女性をおしのけるという現象はここにも起こっていたんだなぁ。
我々の社会的経済的な暮らしを左右するほどの力を、ソフトウェアは担っている。一度自分たちの手から生まれたものだからこそ、その中身を見つめ直して、コントローラブルで、健全なものへともう一度導いていければと思う。