大野一の作品一覧
「大野一」の「雇用、金利、通貨の一般理論 (日経BPクラシックス)」「代議士の誕生」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
「AIの産業革命論」=AIは新しい汎用技術であり、今後百年単位のスケールで経済・社会を変革していく。問題は技術のみならず、それを受け入れる社会、特に「雇用の問題」である。そのスタンス次第で、国家は繁栄もし、衰退もする。第一次産業革命「蒸気機関」の英国vs中国・インドのように。
AIの入り口に立つ我々は、不安におののくだけではなく、積極的に「歴史に学ぶ」姿勢が重要。大部な書であるが、欧米の知識人の努力に負けてはいられない。
1.イノベーション 何時の時代にも重要である。社会発展をブレークスルーするのはイノベーションのみだから。
2.汎用技術 蒸気機関・電気・コンピュータ・AI
これらさまざまな分野に応用できる技術は、多くのイノベーションの元となる。その集大成が「産業革命」であり、100年単位の生産性向上の歴史を作ってきた。
3.産業革命を支えるのは中産階級
産業革命当初は労働者に不利益となることもあり、失業やラッダイト運動など社会問題・労働問題をもたらす。資本の原始蓄積と先行投資の時期だからか?
いずれ成長の果実が賃上げなど社会的に分配され、中産階級が分厚く形成される。
民主主義の発展・福祉制度の形成などが進み、社会発展が実現する。
4.AI時代の未来をどう創るかは我々の課題である。
過去の産業革命同様、技術進歩に加えて、経済・社会・政治のサポートを含めて視野の広い対応が求められるという認識を共有すべきである。
日本の社会体制は対応できるだろうか?
5.その他 トピック
①ムーアの法則が指数関数的成長をもたらした
②コンテナ革命(1956年)貨物の標準化により世界的効果は巨大 港湾・鉄道・トラックなどのインフラ整備
技術よりアイデア・実行力 特に既存荷受け業者との軋轢
Posted by ブクログ
資本主義/社会主義の利点、欠点を知れました。
よく見聞きする、独占や寡占のマイナスなイメージを塗り替えられました。
また、十分に発展した経済・社会であれば、「理論的」には、社会主義も悪くないのかもと思いました。
また、マルクスについて、中立的に評価・解説されており、学びになりました。
・「競争=善、独占、寡占=悪」という考えについてのメモ
静学的な最適化では確かに完全競争が最も効率が高くなるかもしれないが、
その効率を実現するために必要だった技術開発への投資は、完全競争ではなく、ある程度の独占による利益を見込んで行われた可能性がある。
Posted by ブクログ
第2巻では「第4部:社会主義と民主主義」、「第5部:社会主義政党の略史」に加えて、戦後のその後の展開へのコメントとして、「イギリス第三版への序文(1949年)」と「社会主義への行進」というシュンペーターが亡くなる直前の(不完全な)論文が収録されていました。
率直な感想はというと、第1巻での資本主義の深い洞察パートに加えると、第4部、第5部はやや物足りない感がありました。特に民主主義に関しては歯切れの悪さというか、分析の切れ味がどうしても資本主義に対するのに比べれば悪いなという印象でした。その意味で予想外だったのが第5部がとても面白かったこと。冒頭には自分は専門家ではないが、と断っていますが、そこらへんのジャーナリストよりはずいぶん読者をひきつける文章だったと思いますし、とても勉強になりました。第1巻よりはボリュームが少ないのであっという間に読めると思います。
Posted by ブクログ
シュンペーターといえば「創造的破壊」の概念を提唱した人物として日本人にもなじみの深い経済学者ですが、その概念を紹介したのが本書になります。本書は第二次世界大戦中の1942年に発刊された本ということで、そのあたりの背景を考慮しながら読み進めると良いかと思います。また本書では、序文としてシュンペーター伝を書いているトーマス・マクロウによる紹介文が掲載されていますが、これは非常に良い。本編を読み進めるに当たっての素晴らしいガイドラインになっています。
上巻では第1部マルクス主義、第2部資本主義は存続できるか、第3部社会主義は機能するか、が収録されています。第1部では、マルクスの資本論簡潔に説明し、批判を加えていて、資本論になじみのない人でもマルクスの考えがよくわかるようになっています。第2部は本書の本丸ともいうべきパートで、冒頭に「資本主義は存続できるか。いや、そうは思えない」という断言からはじまっていて、読者にショックを与えています。そして中身を読み進めると、シュンペーター氏がいかに現実世界を認識しているか、人間の心理や非合理的な行動、不確実性への企業の対処方法などを鋭く分析していて、とても感銘を受けました。経済学者で理論だけをやっている人は、実業界の人間からすると、「まったく世の中をわかっていない」という評価が与えられることも多いですが、シュンペーター氏は実業界の人間以上に経済や経営の奥深くまで理解しているという印象を受けました。シュンペーター氏の予言は外れた、とかこの部分はまちがっている、と批判する人もありますが、本書からいかに多くの気づきを得られるかの方がよほど大事で、私からすれば間違いの箇所を批判するより、多くの気づきを得させてくれた感謝の方が大きいです。
第3部の社会主義については、正直あまり感銘を受けませんでしたが、その理由として定義している社会主義の範囲が広いこと(現実世界でもそうですが)、またwhat if的な記述が多く、ほとんどフィクション的な印象を受けてしまいました。ただそれこそがシュンペーターの狙いかもしれない(つまり社会主義はフィクションのようなものだ)とすると、それはそれでやはりシュンペーターのすごさではあると思います。資本主義の将来を考える人にとって本書は必読書だと思います。