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  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学
    3.9
    M・ウェーバー以後、最大の政治思想家か、それとも批判すべきナチのイデオローグか――。毀誉褒貶相半ばするドイツの政治学者カール・シュミット(一八八八~一九八五)。ワイマール期の『政治神学』から転換点となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思索の変遷を辿る。ワイマール思想史研究の第一人者が〝尊敬すべき敵〟の思想と理論を精緻に解読した入門書。

ユーザーレビュー

  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学

    Posted by ブクログ

    ナチス登場まで、使える、切れ味の鋭い政治哲学的道具、概念が次々と紹介され、シュミットに惚れてしまう。しかし、ナチス登場後はかなりゲンナリする。あれ?あの鋭さはどこに、という感じだ。独創的な思想家であることは間違いない。浅い批判は容易だが、根本的な批判は難しい。新書という限られた紙数で全貌を描いてくれた著者に感謝する。

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    2020年07月26日
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学

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    左右の両極に分断され不安定な政権与党という外形的な様相だけではなく、実務的な利害調整が「決められない政治」として軽んじられ、結果はともあれ果断に決定すること自体に国民の意識を動員していくことを良しとする風潮や、従来型の議会政治の「お約束」の外側にいる大衆(現代であればSNS民)の登場など、21世紀の今日にも通じる射程の長い議論が展開される。
    議会制民主主義の機能不全や議論を通じた合意という建前の形骸化など、シュミットの批判は鋭いが、ではどうすればという対案がなく、自身もナチの御用学者として使い捨てられる運命となる。言うは易し、とはいつの時代も当てはまるのだろう。

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    2025年08月02日
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学

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    少し難しいが、興味深かった点がいくつか。まずカール・シュミットは当初ナチスを否定的に捉えていたこと。それからナチスを支持し始めてからも、その距離感は時に遠かったりしたこと。これを読む前はカール・シュミット=ナチスの代表的支持者というイメージがあったので、時系列で彼の思想を振り返ることができたのは面白かった。

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    2021年05月12日
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学

    Posted by ブクログ

    カール・シュミットという評価の難しい思想家を上手くまとめている。新書の分量なので詳細な内容の紹介までいかないが、その分ポイントを掴み、紆余曲折のあったシュミットの思想が一望できる。
    これまで前期の切れ味鋭い理論しか知らなかったが、ワイマール共和国の政治状況やナチス政権樹立がシュミットの思想に大きく関連していたとは予想外だった。
    また、ナチスに迎合していた以上にシュミットの考えがナチスに近かったというのも新たな知見。
    この本の紹介でナチス以後のシュミットの著作を読んでみる気が出てきた。

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    2021年04月13日
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学

    Posted by ブクログ

    現在最も注目を集める思想家の一人、カール・シュミットに関する入門書。細かな伝記的事実の叙述は最小限に抑えながら、『政治的なものの概念』や『現代議会主義の精神史的地位』、『政治的ロマン主義』、『大地のノモス』といった代表的な著作の主軸を再構成している。巻末の文献目録も含めて、思想家の入門書に期待される要素を全て含んでいる良書。また「あとがき」にあるように、「私がいかにシュミットを読んできたかの報告」という基準から見れば、本書におけるシュミット解釈・評価を貫く一つの軸は、シュミットが『政治的ロマン主義』で批判した機会原因論者に自らがなっているという、レーヴィットから受け継がれたシュミット思想の問題

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    2021年03月04日

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