デイヴィッド・シュピーゲルハルターの作品一覧
「デイヴィッド・シュピーゲルハルター」の「もうダメかも――死ぬ確率の統計学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「デイヴィッド・シュピーゲルハルター」の「もうダメかも――死ぬ確率の統計学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
事故や暴行など外的な原因で、イングランドとウェールズで亡くなるのは百万人に一人。この一日のリスクを1マイクロモートとして、様々なリスクがその何倍あるか考えたり、様々な避妊法による妊娠率の比較、19世紀のウィーンの産科の死亡率、鉄道に乗って死ぬ確率など様々なリスクについて考える。
なかなか面白かった。
毎週エクスタシーを服用すると2マイクロモート、バイクで45キロ走ると4、マラソンが7、全身麻酔とスカイダイビングが10だそうだ。普通に生活している時に発生してるリスクの10倍なら大したことない、と言えなくもない。計算したことのないことを無闇に恐れるのは正しくないかも知れない。
Posted by ブクログ
文体が眠たくなるが、中身は面白い。
100万分の1の確率をマイクロモートと定義して、イギリスで一日の間に平均して死亡する確率と同じとする。また30分寿命が縮む確率をマイクロライフと定義し、アルコール一杯目は1マイクロライフ寿命が増加、2杯目以降は0.5マイクロライフ寿命が縮むそうな。このような新単位系を導入することで、様々なリスクの横並びを比較することが可能になる。出産のリスクは120マイクロモート、スキューバダイビングのリスクは5マイクロモート、アフガニスタン駐留は1日当たり47マイクロモート。
これらのリスクを理解する人の心は不安定?で、リスクを400分の1ととるか安全は400分の399ととるかで態度が変わる。また、同じような人が400人いたら死ぬのが1人として、同じような人って誰?の定義が難しい。「確率はまっとうな概念に見えて、直感的に難しくてややこしいもの」であり、「伝える側が、伝えようとしている内容を、本当はよくわかっていない、確率とは混乱そのもの」であるというのが結論である。もしも?とそれがどうした!の2面的解釈を個別事例毎に使い分けることが確率を御するコツのようである。
Posted by ブクログ
タイトルよりも、副題の「死ぬ確率の統計学」の方がわかりやすいかもしれない。
本書は人が生まれてから死ぬまでの間に出くわす死亡リスクについて考察するもの。統計的な事実と3人のモデル(ノーム、プルーデンス、ケビン)の人生を重ね合わせて、ストーリー仕立てで、ちょっとユーモラスに、いささかシニカルに概観していく。
原題の"The Norm Chronicles"は、モデルの1人のノーム(Norm)の名と、普通名詞としての標準的な状況(norm)を重ねたもの。つまりは、「(ノームに代表されるような)一般的な人の人生のあれこれ」というところだろうか。
章ごとに、人生の途上で出会うさまざまな出来事が考察されるわけだが、乳児期、自己、薬物、出産、交通機関、安全衛生、ライフスタイル、手術、老後のお金、とまぁ生きていればいろんなことがあるわけである。
本書前半では、マイクロモートと呼ばれる基準が随所に出てくる(提唱者は著者らではない)。マイクロは100万分の1、モート(mort)は死の意で、死亡確率100万分の1を指す。
生きていれば危険はつきものだけれど、死ぬほどのことはそう多くはない。イングランド/ウェールズ(*著者はイギリス人)では、事故や事件で亡くなる人は毎日50人ほどだという。この地域の人口は合わせて5000万程度なので、つまり100万人に1人が劇的な出来事で命を落とすことになる。これを1マイクロモートと呼ぶ。普通の暮らしをしていて不慮の死を遂げる確率はこれくらいですよ、ということだ。これがもうちょっと危ないこと、例えばスキューバダイビングをするとか、全身麻酔を受けるとかになると、確率は10マイクロモートに上がる。こうして危険を換算すると、急性のリスクを比較することが可能になるわけである(まぁざっくりと、だけど)。
本書の中で、著者らはもう1つの基準、マイクロライフも提唱している。こちらは成人の人生を100万等分した1個の単位のことで、概ね30分間に当たる。これは何の役に立つかというと慢性リスクを考えるのにちょうどよいのだという。単純にぼんやりと時間を過ごすだけでもマイクロライフは減っていくわけだが、不健康な生活をしていればその分、マイクロライフもどんどんと減っていく。たばこ2本で1マイクロライフ減り、ウェストが2.5センチ太くなるごとに1マイクロライフ減る。ハンバーガー1個で1マイクロライフ、度数が高いビール1リットルで1マイクロライフ。
1個のハンバーガーで死ぬことはめったにないけれど、積み重なれば寿命は短くなっていく、というお話。
さらりと読んで、ふぅん、そうかというところだが。独特のシニカルな語り口は何となくイギリスっぽい感じがする。
イギリスはコホート研究(cf.『ライフ・プロジェクト』)みたいなものも盛んなようで、統計的に物事を見る地盤のようなものがあるのかもしれない。