海上自衛隊を定年まで勤めあげ、大阪の公立高校の校長として5年間勤務した著者の経験を綴った本。苦労をしながらも熱意をもって、一生懸命勤務されてきたことがよくわかった。積極的に取り組んだ経験談は、とても参考になった。
「(教職員との面談)初年度の人事面談では家族のことや一身上のことを突っ込んで質問する
...続きを読むので、みんな不思議な顔をしたり、中には不審に思う人もいたかもしれません。でも、教職員の家族を含めて面倒を見るというのが組織の長であるという意識を強く持っていましたので、たとえ個人情報でも遠慮はしませんでした。これは、情報というものは何事も詳しくつかんでいた方が、後に何かあった場合の対処が早くなり、判断も狂わないと、確信を抱いていたからです」p97
「(部下に任せる)権限が大きくなると、やりがいが出て、嬉々として働くようになるからです。任せるということは人を育てることに他なりません」p104
「校長は孤独です。リーダーの立場にある者は、孤独を覚悟しなくてはいけません。正しいことであれば、耳の痛いことも教員たちに言って、嫌われるのも当たり前の気持ちで臨まないといけないのです」p175
「(足繁く通う)とにかく「わざわざ来ていただいて」と言われることに意義があります」p183