チバニアンという単語は聞いたことがあったけど、何を指しているのかは全く知らない。そんな状態で読んでみたらおもしろかった。
紀元前77~13万年の間が地質年代チバニアンとして命名された。巨大な磁石としての地球の性質を分かりやすく解説してくれる一冊。
■方位磁針は真北を差さない。平面方向にズレる(偏角
...続きを読む)地球の中心方向も差している(伏角)
■レーマンのP波観測に関する論文のタイトル「P´」がカッコいい(中二的に)
■地球の外核は導電性の液体金属から成り、核の表層部と深部の密度差による対流(地球ダイナモ作用)で磁場が生成させる。
■地球の地磁気は何度も逆転していた。発見したのはフランスのブルン、明らかにしたのは京大の松山基範博士。その原因は現在でも諸説あるようだ。
■溶岩は加熱時に磁性を失い、冷えるときに磁場情報を残留磁化として記録する。電子の向きが偏った鉄やコバルトやニッケルは強磁性をもつ。
■地磁気の極性年代には先人研究者の名前がつけられる。ブルン、松山、ガウス、ギルバートなど。
■地磁気は太陽風や紫外線から地球を守るバリアとなる。
■地磁気の逆転は、過去80万年間で一度だけだが、過去250万年スパンでは11回発生している。おそらく今後数百年は地磁気逆転はなさそうたが、いざ逆転すると著しい気候変動が予想される。
■地磁気の強さや磁極位置は動き続けている。
■房総半島のは白尾火山灰が堆積しており、残留磁化と放射線同位体比計測から、地磁気逆転の年代が特定された。この地質年代(紀元前77万~13万)がチバニアンと名付けられた。