クオリティランドでは、全ての人が自動的にレベル付けされて、収入や社会貢献などのステータスに直結している。(一桁台だと社会のお荷物扱いをされてしまう)
また、日用品、食事、各種サービス、結婚相手まで様々モノがレコメンド(ユーザーの身体、思考を読み取り、好みに合わせておススメ商品を紹介される世界。偶然な
...続きを読むどはもはや存在せず、ユーザーが欲しいと思った次の瞬間には商品を持ったドローンが近くに到着している。
スクラップ工のピーターは、あることがきっかけでレベルが一桁台になってしまう。
ある日届いた品物は全く自分の欲しいものとかけ離れていたため、販売業者に返品しようと奮闘するが…
もう一方では、史上初のAI大統領誕生に向けてインデペンデンス・デイの大統領に似てるロボット候補者ジョンの大統領選の活動が描かれる。
合間に黒地に白文字のページで、クオリティランド内で流れているテレビ番組やCMが入りつつ2人の物語が進んでいく。
アメリカ内の政治動向や歴史に精通してると更に楽しめるネタもあり、どこまで理解出来てたか自信がない。
ネタはネットゲームやドラマ、名作など幅が広く全ては追えなかった。
「支配されている感覚がない」「誰も不満を抱いてない」ディストピア
監視カメラとSNSが揃えば「1984年」な風味も出てくる。
ディストピア小説でありながら暗くなく風刺やブラックな笑い要素が多くて楽しく読めた(その分、書かれてる内容は身近で笑ってられない要素も多かった)
世界で販売されてる物語はほとんどカスタマイズされたモノだったり、自分の好きな傾向に合わせさせることは普段SNSを使ってても、嫌なことをミュートしたり、似たような行為をしている。
SNSや通販サイトを見ても「あなたへのオススメ」は頻繁に画面に現れる。
「試してみよう」と思うものもあれば、オススメで何度も目にすることによって鬱陶しくなり避けてしまうモノもある。自分の傾向にあったモノがオススメされているはず、とまでは思わないけれど「本当にそれを自分が欲しいと感じているか?」は意識させられた。