河井孝仁の作品一覧
「河井孝仁」の「「関係人口」創出で地域経済をうるおすシティプロモーション2.0―まちづくり参画への「意欲」を高めるためには―」「「失敗」からひも解くシティプロモーション―なにが「成否」をわけたのか―」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「河井孝仁」の「「関係人口」創出で地域経済をうるおすシティプロモーション2.0―まちづくり参画への「意欲」を高めるためには―」「「失敗」からひも解くシティプロモーション―なにが「成否」をわけたのか―」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
市民と行政が一緒に街をより良いものにするためにどうすればよいか、
あの有名な流山市、生駒市、那須塩原市の3者の市民の一人と行政の一人がそれぞれの視点で協働に至ったポイントを語る。
素人っぽさを敢えてそのまま残してあるところが生々しい実体験を表しており、逆に読みやすいし、面白い。
自分の身の回り三軒両隣の人の課題を解決するところから始めて、我が街をよりよくしようとしている人必見!
一市民として行政側の視点やあの時の行動の背景がわかり興味深い。
以下ネタバレですが感想を。
・行政としては担当が変わっても継続できるように市民に主体的に回るようになると手を離して見守るように姿勢を変えた方が良い点は良いですね。確かに行政の人事異動によってプロジェクトの全員の熱が冷めることがあるので。。。また、仕事としてのみ関わっていたのか。。。というのでいつも寂しい想いをします。市民の一人として継続的に関わっていってくれればとも。行政の新担当が入られるなら新担当の人がやりにくくなるので難しいのかな。
・行政として「自分が前のめりになっててを動かしてしまわない」そして「わざと手を抜く」このことは自分以外の人間がかかわる余地を残すというのは、非常に納得させられました。
これは行政の人だけの話では無く、仕事でも市民活動プロジェクトでも全てにおいてプロジェクトリーダーが自分でやりすぎず他の人が手をあげる余地を敢えて作ることかと思いますが、良いですね。
・役所内の根回しなどは確かに行政の人しかできないことなので、意味がありますね。市民側としてはうまく行政の人を巻き込んで利用していきたいポイント
・市民側の成長欲求を満たすには、自ら考え行動する手順が必要。行政としては成果も大事だけど成長、人間関係作りに興味がある、というのは非常にその通りですね。
単発プロジェクトでは無く、次につなげていくためには成長させ、興味を持たせ、一緒に盛り上げる仲間や人間関係のハブを作ることが重要。
→私も楽しくないと続かないと思ってるのでやはり人間関係なんだろうなぁ~と思ってます。もちろん誰誰の課題を解決したいという背景あってのことですが。
・街に興味が無かった層が、街を想う人と繋がることで自分ができることを考える、ってのは確かに周りによく見ます。某市は市長の腹黒い?w作戦もあり、うまく回ってますね。関心するばかりです。
・個人が繋がり、コミュニティを作り、ムーブメントにしてそこに入らない方がリスクだという状態を作っていく、というのも面白い視点。イノベーションの作り方でよく語られることが街も同様なんですね。
市民側としては行政も一市民と思ってますので一緒にやっていければと思います。
(本では行政には応援してもらう、ということが書いてありましたがある意味賛成ですが、やっぱり一緒に熱を持ってやっていく仲間になって欲しい)
Posted by ブクログ
まちに住む人たちの推奨意欲・参加意欲・感謝意欲に加えて、まちの外からまちに共感する人たちの推奨意欲、これらすべてを加えたものを「地域参画総量」といおう。
(引用)「失敗」からひも解くシティプロモーション ーなにが「成否」をわけたのか、著者:河井孝仁、発行者:田中英弥、発行所:第一法規株式会社、初版発行:平成29年10月15日、12
シティプロモーション。このカタカナの言葉は、時として、行政マンを悩ます。シティープロモーションをするため、各自治体は動画を作ればよいのか、またキャッチコピーを考えればいいのか、それとも市のシンボル的なロゴマークを製作すればよいのかなど。各自治体によっても、シティプロモーションの捉え方が違ってくると思う。そのことが起因して、ターゲットがずれ、施策がずれ、メディア戦略がずれ、各自治体の独りよがりな施策に陥り、「失敗」を引き起こすこととなる。
その「失敗」からの助け舟を出してくれるのが、河井氏による「『失敗』からひも解くシティプロモーション(第一法規株式会社)」だ。各自治体が”手探り”でシティプロモーションを展開し、「失敗」した事例も紹介してくれる。その中で、河井氏が主張するのは、冒頭に記した「地域参画総量」という言葉だ。河井氏によれば、「この地域参画総量を増加させることができれば、具体的な定住促進、産品振興、交流拡大の取組みにとっての、熱を持ったしなやかな土台になる(同書13)」としている。この地域参画総量という言葉に出会い、私は、今まで、曖昧だったシティプロモーションの定義、そして全容がクリアになっていった。
本書の後半には、各自治体のシティプロモーションの失敗を生かし、河井氏直伝による「シティプロモーションの成功法」が書かれている。その示されている手順通りに進めば、シティプロモーションは、最大の武器となってくる。その武器を携え、自治体職員とそこに住む人達がまちの「空気」や「雰囲気」を醸し出せるような戦略を実行していくことこそが、何より重要であることが理解できた。
本書では、神奈川県の「大学発・政策提案制度」も紹介されている。これは、神奈川県内においてシティプローモーションを的確に行いたいという目的を神奈川県と大学(研究室)が共有し、神奈川県が協働主唱者となり、大学(研究室)が協働呼応者となった取組み(本書、96)である。この取組みを知り、私は、慶應義塾大学飯盛義徳研究室による「KANAZAWA GENKI PROJECT」を思い出す。このプロジェクトでは、金沢の女子大生14人がグループを作り、”かなざわ娘”として、1年間にわたって金沢の魅力をPRしたり、企業と一緒に金沢の新しい名産品の作成に取り組んだりしているという。1)
金沢の女子大生は、なにも地元の娘ばかりではないだろう。ただ、縁があって金沢に住み、金沢の魅力推奨し、まちづくりに参加し、まちへの感謝を増やしていく。そして金沢の外に住む人達の推奨意欲が高まれば、金沢の人たちは、持続的な幸せを実現できることになる。私は、まさにこのような取組みがシティプロモーションだと思うに至った。
本書は、シティプロモーションで悩める自治体職員、そして自分たちの住むまちに誇りを持ち、「何とかしたい」と考えている人たちにオススメしたい。
1)KANAZAWA GENKI PROJECT 慶應義塾大学 飯盛義徳研究室
Posted by ブクログ
関係人口という概念は近年注目されているが、定量化されたKPIとしては管理が難しい。
本書では、mGAPという手法により、定住人口の意欲と関係人口の意欲を定量化して評価することを提案している。
地域に外部から人が関わるということを考えるとき、つい外部から来る人にどうモチベーションを持ってもらうかということを考えがちだと思うが、そうではなく、定住している人々が、外部から受け入れる人を暖かく力強く受け入れる、そういう土壌がなくてはいけない。その点をmGAPでは定量化しており、大事な観点だと思った。
一方で気になったところとしては、mGAPの計算方法で、特に地域外ターゲット人口をどのように設定するかによって指標が大きくぶれるので、扱いが難しいな、と思った。
また、地方の訴求として、単純に「自然が多い」みたいなことを言っても全然差別化にはならない。その地域に住んでいることは、どのようなことなのかというのを解像度高く表して訴求することが大事。当たり前だけどその通りだな、と思った。
Posted by ブクログ
シティプロモーションとは、 私の定義では「地域を持続的に発展させるために、地域の魅力を創出し、地域内外に効果的に訴求し、それにより、人材・物財・資金・情報などの資源を地域内部で活用可能としてくこと」を指す。
(引用)「関係人口」創出で地域経済をうるおすシティプロモーション2.0 ーまちづくり参画への「意欲」を高めるためにはー、著者:河井孝仁、発行者:田中英弥、発行所:第一法規株式会社、発行年:2020年、5
私はシティプロモーションの理解を深めるべく、河井孝仁氏による前著、『「失敗」からひも解くシティプロモーション ーなにが「成否」を分けたのか』(2017年、第一法規)から連続して、河井氏が著された書籍を読ませていただいた。最新刊では、そこに実際住んでいる「定住人口」ではなく、「地域に関わろうとする、ある一定以上の意欲を持ち、地域に生きる人々の持続的な幸せに資する存在」(本書、33)である「関係人口」に焦点をあてている。この「関係人口」創出で地域経済を潤すことが可能になるという。ただ、河井氏が指摘するとおり、「関係人口」の捉え方が各自治体でマチマチだ。我が国も人口減少時代を迎え、定住人口の増加が見込めない。そこで、ある意味「ゆるい」定義である「関係人口」という言葉がこぞって使われるようになった。しかし、この「ゆるさ」は、行政の都合の良い方向へ進めてしまうことがある。河井氏は、関係人口という考え方を基礎において、多様性と定量化の二兎を追う関係人口ネクステージを定量化するため、河井氏が従来から指摘してきた修正地域参画総量指標(mGAP)を提示する。本書では、具体的なmGAPの定量化する手順が示されている。私は、このmGAPに「感謝意欲」が含まれていることに感銘を受ける。かつて私も地元小中のPTA役員を歴任したり、地元の祭りの世話役などをしてきた。そのとき、まちの行事に参加するためのモチベーションは、周りからの「感謝」であった。その感謝意欲までも定量化し、関係人口を定量化する手法には、私も賛成だ。
従来、各自治体のシティプロモーション戦略は、ブランド化、定住人口の増加を目指していたフシがある。恥ずかしながら、私もシティプロモーションとは、都市の知名度向上することだと思っていた。いや、実際にそのように考えられていた時代がある。これを河井氏は、シティプロモーション1.0の時代と呼ぶ。これは、2014年に元岩手県知事で現日本郵政取締役代表執行役社長の増田寛也氏が座長を務めた日本創成会議・人口減少問題検討分科会に起因する。この分科会は、「消滅可能性都市896のリスト」を発表した。そして当時、増田氏の編著により、「地方消滅 東京一極集中が招く人口急減」が発行され、話題を呼んだ。この「消滅都市」というセンセーショナルなキーワードは、我が国が人口減少時代を迎える中で、ヒトの「取り合い」が始まった。その救世主として、各自治体は、シティプロモーションを取り入れ、定住人口の増加を目指したのだろう。まさに、我が国におけるシティプロモーションの創成期ともいえるのではないだろうか。
河井氏の本を読み進め、私は、シティプロモーションが一過性のものでないということを知った。シティプロモーションはブランドを構築すれば良し、子育て世帯の定住人口が増加すれば良しではないのだ。河井氏が提案する関係人口を創り出すプラットフォーム、いわゆる「地域魅力創造サイクル」は、継続性を求める。ややもすると、打ち上げ花火的なシティプロモーションも存在する中で、その地域に根ざし、愛着心を育み、心からプロモートする。その「地域魅力創造サイクル」を回し続けていくことが重要であると思った。そのため、「いまここ」から未来に向け、河井氏は、シティプロモーション2.0を推奨する。定住人口から関係人口へ、単なる知名度向上から地域魅力創造やメディア活用へ、そして地域連携へとシティプロモーションは進化を遂げる。その理由として、私は自治体の独りよがりではない、そこに住む人達や関係している人たちが「主役」となることに気づいたからではないか思った。
また、本書では、関与者の成長にも言及しているところが面白い。その成長を促すため、野中郁次郎氏らが示したSECIモデルなるものが登場する。この9月、野中郁次郎氏らが新たに「ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル(東洋経済新報社、2020.9)を発刊した。これには、新しいSECIモデルが示されているようだが、企業組織を成長させるこのモデルは、地域を成長させることにも有効だと思った。この河井氏によるシティプロモーション関連の本を読み終え、次に私は「ワイズカンパニー」を読ませていただこうと心に決めている。
河井氏による最新刊の「おわりに」に、新型コロナウイルスについても触れている。私は、新型コロナウイルスにより、地方がシティプロモーションを展開する絶好の機会だと考えている。それを裏付けるかのように、東京一極集中から、テレワークの推進などで地方への回帰が始まっている。ネットさえつながえれば、東京にいる必要はなくなりつつある。そのため、地方の自治体は、シティプロモーション2.0を展開することにより、関係人口を創出することが容易となってくる。このピンチをチャンスに変えられるかは、各自治体の取組みにかかっている。
「自助・共助」という言葉がある。近年、防災的な意味合いで「自助・共助」という言葉は多用されているが、そこに住む人々が支え合い、感謝しあい、自分たちのまちを愛し、人々にも推奨する。河井氏による一連のシティプロモーションの本を読ませていただき、この好循環こそが、シティプロモーションではないかと考えるに至った。