作品一覧

ユーザーレビュー

  • 平林初之輔 佐左木俊郎~ミステリー・レガシー~

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    ・指と指輪
    高価な宝石を持つ男は、その宝石に相応しい女の指を求め、ひたすら街を彷徨っていた。
    電車やカフェーなど、美しい指を探し求める猟犬の様な男。しかし、なかなか美しい指に出会うことができない。
    指に固執するフェティシズム一点突破の掌編。最後の返しも取ってつけた様な薄味の探偵趣味だが、身体パーツへのフェチは谷崎潤一郎の系譜でもあり、モダニズム文学の流行と作者の接近が窺える。

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    2020年02月07日
  • 文豪たちの妙な話 ミステリーアンソロジー

    Posted by ブクログ

    10名の文豪の作品の中から、不思議な出来事や犯罪に関する話を集めた本。当然10編が収録されているんですが、本文約380ページのうち半分の約190ページは正宗白鳥の「人を殺したが…」が占めるというなかなか尖った構成だった。
    ミステリーとは言うもののファンタジーっぽい話もあるので、まさに「妙な話」(これは芥川龍之介の作品のタイトルでもある)といった感じ。

    どの話も書き手の個性が出ているなあ、と思った。個人的な推し作家は横光利一だが、今回楽しく読めたのは佐藤春夫の「時計のいたずら」。唸ったのは谷崎潤一郎の「私」。
    「人を殺したが…」はドストエフスキーの「罪と罰」を意識しつつも、もや〜っと気味の悪い

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    2025年03月23日
  • 文豪たちの妙な話 ミステリーアンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    梶井の「Kの昇天」幻想的で美しい推理が好き。しかしこの中にあると「普通」なかんじかするのは何故だろう…
    久米の「復讐」もかなり好みだなあ。

    太宰のはなしはじわじわ来るし、最後がやっぱり巧いと思う。息子を医学校に行かせたい父と、チベットに修行に行きたい息子の間に立って困惑する母…の気持ちになってしまう。

    いちばん読みたかった白鳥のはなしは軽くホラー…全部妄想と言われたらそう見えるし。色んな人の解釈が知りたい。

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    2022年03月30日
  • 平林初之輔 佐左木俊郎~ミステリー・レガシー~

    Posted by ブクログ

    プロ文畑出身の平林と農民文学の佐左木とが組み合わされた1冊。
    どちらも、そちらの思想系が香る作品かと思いきや、佐左木は「文學時代」にも関わっていたらしく(新興芸術派が活躍してた雑誌)、今回収録された『指と指輪』などはとてもモダンな作品でびっくり。(新潮社で編集やってた事もあり、探偵小説界隈の歴史を調べてくと編集者としても名前がちょくちょく出てきますね、佐左木俊郎は)平林も社会派作品といった雰囲気で、登場人物が皆、理知的に動くのが面白い。
    二人とも、昭和一桁年代のモダニズム文学っぽくて面白かった。

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    2020年02月23日

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