大谷栄一の作品一覧
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Posted by ブクログ
大谷栄一「日蓮主義とはなんだったのか」(講談社)
戦前の日本では石原莞爾をはじめとする軍人や血盟団などのテロリスト、さらに宮沢賢治などまで法華経や日蓮を信奉する人たちが多かった。在家仏教教団・国柱会の田中智学により日蓮主義という造語がなされたらしい。当時の日本では西洋文化やキリスト教の流入に対して仏教側でも寺院に閉じこもらず近代的な思想としての仏教に再生しようとする動きがさかんで、その一つが日蓮主義だったようだ。日本の国家主義の支柱を日蓮に求める人達もいれば、国家を超越した日蓮主義を唱える人たちもいた。本書では田中智学、本多日生、高山樗牛などの思想、日露戦後の社会危機:若者のアイデンティtィを巡る危機や大逆事件のショック、関東大震災の衝撃などの中で「修養」として日蓮が学ばれるようになったこと、そこから満州事変を引き起こす石原莞爾や昭和初期のテロリストが影響を受けたことが語られている。残念なのは、本書を読んでも当時の若者にとって日蓮主義がなぜ魅力だったのか、今一つピンと来ないところ。