ビクトル・デル・アルボルの作品一覧

「ビクトル・デル・アルボル」の「終焉の日」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 終焉の日
    4.1
    1巻1,425円 (税込)
    1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは数年前に、悪徳警官セサルが情報屋を制裁した殺人未遂事件で、セサルを刑務所送りにしたことで脚光を浴び、名声を得た。だが今、その事件が何者かの陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは服役中のセサルに面会して事件の再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。次第に明らかになる、マリアが背負わされた想像を絶する罪とは。殺人、偽証、復讐に運命を狂わされた人間たちの悲哀が胸を打つ。欧州読書界で絶賛された圧巻の大河ミステリ。ヨーロッパミステリ大賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 終焉の日

    Posted by ブクログ

    初のスペインミステリー。スペイン近代史の流れの中で起きる事件から、目が離せませんでした。モラ兄弟が悲愴。それに政治家となったあの人、そんなに権力あるものなの?もの悲しげなラストでしたが、もっと堕ちてもいいのでは、とすら思えました。それほどの悪辣さです。

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    2019年07月15日
  • 終焉の日

    Posted by ブクログ

    スペイン、1980年、弁護士マリアは警官セサルが情報屋を暴行した時間で警官を刑務所送りにし、売れっ子弁護士へ。しかしセサルは娘を拉致されていた。大物政治家が裏にいて、暗躍している。マリアはセサルに話を聞きにいくと・・・1941年、フランコ政権下、ファランヘ党幹部の妻イサベラ・モラは息子を連れて夫から逃げようとする。しかし・・・40年を経て、暴れ出す謀略、怨念とは・・・

    ううむ。こういう話は大好物だ。ラスト近辺でややもたつくので全体としてやや長いけれど、それ以外は完璧に面白い。

    イサベラはなぜ夫から逃げようとするのか、その結果どうなったか。それがどういう怨念を生んだのか。40年後、誰がどうな

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    2019年05月15日
  • 終焉の日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1980年代のバルセロナが舞台でそこから40年前に起きた殺人、策略、嘘、憎しみ、復讐。家族三代にわたって引き継がれることとなった憎悪。そして始まる復讐。全てはそのためというような人生を生きてきた者。それを止めようとする者。そこには法や社会を超えたそれぞれの正義があって悲しみの連鎖がある。憎しみから始まり、運命に動かされ、それだけにしか生きることができなかった人間の悲しみ、孤独がある。個人的に文体がすごく好きでとても心地よかった。

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    2019年04月11日
  • 終焉の日

    Posted by ブクログ

    スペイン現代史にさほど詳しいわけではない。ヘミングウェイや逢坂剛の作品を齧った以外、あまり勉強していないのが実情である。それゆえ、スペインの作家がスペインの現代史を題材に書き上げたネイティブなこの作品には惹かれるものがある。しかも、フランコ没後、独裁制から民主化に移行したこの国にとっては大転換となるこの時期である。本作は、平和というものの産みの苦しみの中で様々な陰謀とそれに絡め取られていった人々の重厚、かつ壮大なノワールとも言える力作なのである。

     多くの登場人物が現れる。また多くの過去の複数時点を語る物語でもある。複雑に絡み合った人間たちの愛憎模様と、彼らの離合集散が生み出す化学反応は、時

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    2019年04月11日
  • 終焉の日

    Posted by ブクログ

    ある誘拐事件に関して口を割らないケチな情報屋を執拗なまでに拷問し、命の危険にまで追い込んだ悪徳警官セサルは塀の中に収監されていた。セサルを刑務所送りにしたのは弁護士のマリアだ。フランコ軍事政権下にはびこっていた強欲な警官に違いないと、被害者の弁護を請け負ったマリアは、セサルの非人道的な行いを徹底的に裁判で攻撃し勝利した。その結果としてマリアは名声を得て、セサルは自由を奪われた。

     それっきりで二人の接点は途切れるはずだった。しかし、いまマリアは刑務所にいるセサルに会いに来ていた。私はとんでもない過ちを犯してしまったのかもしれない、という疑念が頭から離れなかった。果たしてセサルが執拗に聞き出

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    2020年10月10日

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