木村剛久の作品一覧
「木村剛久」の「国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制」「天皇と日本人 ハーバード大学講義でみる「平成」と改元」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「木村剛久」の「国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制」「天皇と日本人 ハーバード大学講義でみる「平成」と改元」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
日本の大学に在籍した事もある米国人研究者が戦後天皇制を緻密に描いた。日本人より自由で客観的な視点なのが良かった。
福沢諭吉の「帝室論」には「帝室は政治の社外なり」と、戦後の象徴天皇制に近い考えを示している。その福沢の考えを受け継ぎ、現在の天皇の教育係となったのが小泉信三だった。小泉は福沢の考え方と英国王室をモデルにしていた。
長い皇室の歴史から見れば明治以降の天皇制が逸脱だったという言説は、戦後の保守派によって好まれたもの。元号の法制化や、建国記念日の制定などの経緯も面白かった。奈良県橿原市長の奮闘など具体的エピソードもよく調べている。
「大まかに言って現在の天皇の行動目標は以下の二つである」
Posted by ブクログ
著者は現在ポートランド州立大学助教授で、日本を研究する米国人である。ということで、日本社会における「天皇制」なるものを、「外部から」の視点で考察している。
この書名は多くの浅はかなネトウヨ群を助長した、馬鹿げた歴史観に基づく「ベストセラー」を思い出させるが、全く関係ない。著者は右翼からも左翼からも距離を置き、完全に公平な、客観的な立場を崩すことなく、学術的に日本の「天皇制」を記述しているという点で、この本は非常に貴重なものである。
著者の日本研究は細部にわたり、私などよりもはるかに日本の歴史を知っている。
戦後の象徴天皇制は左翼ばかりでなく多くの右派陣営もが支持し、「歴史的に天皇制のもともとの
Posted by ブクログ
気鋭のアメリカ人歴史家である著者の、「天皇と日本人」に関するハーバード大学での講義録。本書では、現代日本の天皇制を、イギリス、スペインなどの君主制とさまざまな共通性をもつ「象徴君主制」とみなして、グローバルな脈略、対比的な脈略において分析しつつ、平成の皇室の独自の特徴に着目し、明仁天皇の退位を歴史的文脈で検討したうえで、明仁天皇と美智子皇后の目標と象徴性を分析することに大きな焦点を当てている。その目標と象徴性は、著者によると次の5つであるという。
(1)戦後憲法学固有のさまざまな価値を含め、戦後体制を明確に指示してきたこと。
(2)社会の弱者に配慮し、地理的その他の要因により周辺でくらす人びと