「フランスについてのエッセイ」って聞くと、やたら断定的な中年女性による意味不明なフランス礼賛を読むはめになるんじゃないか、とやや警戒しがちなワタクシですが、この本は非常に楽しんで読みました。かつ、とても参考になりました。
まず、「作ったドレッシングをボウルの底に入れて、その上に野菜を入れていき、食
...続きを読むべる直前に混ぜる」が目からウロコ!
私も、寒い冬が終わって、春野菜がいっぱい出回り始めると、とにかくサラダが食べたくなります。そうして春から秋にかけてはしょっちゅう、ガラスのボウルにその時旬の野菜や果物を放り込んで食べているので、さっそくその手順を真似してみました。
味がよく馴染むし、しかも、ドレッシングを作る器が余分にいらない=洗い物が一個減る! すっごーい!と感動。
チーズの食べごろについても、すごく参考になった。
カマンベールチーズは、買ってしばらくして、中がとろっとし始めるころが好きだなぁ、と常々思っていましたが、そういう熟成時期だけじゃなく、食べる時の温度(冷蔵庫から出すタイミング)もけっこう重要なんだなぁ。全然知らなかった。
また、食事が終わった後、デザートの前がチーズの時間、という習慣もとても興味深かった。
チーズって、アペタイザーかと思っていた。うちでも、いつもごはんを食べた後、もう少しお酒を飲みたいって時に、生ハムなどを巻いてビデオなど見ながら食べてましたが、それは邪道で、本来はメインの食事より前に食べるもの、となぜか勝手に思い込んでました。
まあ食べたい時に食べればどっちでもいいのだけど、考えてみれば、チーズの食べ方や食べ頃なんてきちんと考えたことないな、と気づいた。ぜひもうちょっと掘り下げて勉強してみたい。
他にも、市場でのやりとりはとてもうらやましく感じました。同じ野菜が何種類か売られていて、どういう風に料理したいかを聞かれて、それに合った種類や熟れ具合を薦めてくれるなんて!
でも、考えてみたら日本でも、お魚屋さんなんかはそんな感じですねえ。私には敷居が高くて、なかなかお魚屋さんでうまくやりとりできないのですが。
そう考えると、自分で簡便さを選んでおいて、フランスはいいなぁ、日本じゃ無理・・・なんて言うのは間違っているのかも。住んでいる場所や環境にもよるけれど、時間の余裕と「まめさ」とやる気さえあれば日本でも生産者に近づくのは可能?
・・・・などなど、いろいろと参考になり、日々の暮らしの良い刺激になりました。
ただ、この著者は料理を本格的に学んでいるのに、レシピが全くないどころか、まともに料理している場面や、料理そのものについての記述がほとんどないのはちょっと驚きました。
やたら市場で買い物はしているけど、料理することの比重はすごく少なそう・・・と思ってしまった。それとも、フランスではプロのシェフ以外はみんなそうなのかな?