長谷川伸 「 日本敵討ち集成 」曾我兄弟、実朝、荒木又右衛門、大石内蔵助など敵討の資料集。著者の人間味あふれる戯曲世界とは異なり、武士道の記録文学という感じ。
敵討と報復は違うというスタンス。敵討には 暗黙なルールがあり、そのルールが 日本の心性を示している という意味だと思う
敵討の暗黙
...続きを読むルール(敵討の共通性)
*尊属の仇しか討てない(子が親の仇を討つ、弟が兄の仇を討つことはできても、その逆はできない)
*必ずトドメを刺す
*敵討を受けた人の敵は討てない?
「久米幸太郎 29年後の敵討、敵は82歳」には驚いた。29年の追跡は 無駄としか思えない。敵とは言え、老いて自分より 弱い人間を討つのは 武士道に反しないのだろうか? 武士の情けとか 起きないのだろうか?
編者と平岩弓枝が語った 長谷川伸との思い出 も良かった
著者の基本姿勢=義理人情
*ギブアンドテイクだけではないものを人間は持っている
*情けのわからない人間に人間は書けない
*恩は着るもので返すものではない〜恩を受けた感動を忘れずに 今度は 自分が 困った人に手を差し伸べるのが 人の道