弓山達也の作品一覧
「弓山達也」の「平成論 「生きづらさ」の30年を考える」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「弓山達也」の「平成論 「生きづらさ」の30年を考える」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
【問いかけて30年】「怒涛の時代」とも称される平成の世を、「生きづらさ」をテーマとして、主に宗教面から読み取ることを試みた作品です。著者は、東京工業大学でリベラル・アーツを教える上田紀行ら4名。
「そんなこともあったなぁ」と読み進めるうちに、平成の一側面をわかりやすく解説してくれる一冊でした。難解なところはまったくなく、コンパクトでありながら同一テーマに関する複数名の指摘を合わせて読み進められるため、頭の中で比較をしながら考えることができる点も高評価です。
〜私たちを取り巻く社会はさまざまな問題を抱えています。それらの問題の根底には,日本でも世界でも,若者を中心にして広がる「生きづらい」という感覚が大きく関係しているのは見過ごせない事実でしょう。〜
やっぱり1995年は分水嶺の年だと再実感☆5つ
Posted by ブクログ
「平成」という時代を、「宗教」という視点から分析した本です。社会の変化とそれをうけた宗教界の変遷が、相互に影響しあって平成の「空気」を作り上げた様子がわかりやすくまとめられています。
「激動の昭和」につづく平成の30年は、「失われた20年」などともいわれるように、閉塞感のある時代だったような印象があります。
もっとも、平成生まれの私にとってはこれが「フツウ」でしたから、そこまでネガティブなイメージではないのですが…。
ただ、阪神淡路大震災やオウム真理教のサリン事件、9.11同時多発テロや3.11東日本大震災など、多くの「事件」が印象に残っている時代ではあると思います。
それぞれの事件によって、社会全体が「暗く」なったり、その流れを変えたり(特に昨今ではポピュリズムやナショナリズムがその勢いを増していると思います)したことも、平成の時代の特徴なのかもしれません。
なかでも本書では「生きづらさ」という言葉がキーワードとして取り上げられていました。昭和のように地縁血縁が薄くなり、コミュニティが弱体化する中で、個人個人が「生きている」という実感を持ちにくくなったり、「生きている」ことの目的を見出せなくなったりしている。そのことが「生きづらさ」の原因になるし、またそれまでの宗教観のままでは様々な人々の「つらさ」を救うことができない。
これらの分析は説得力がありましたし、平成という時代の「核心」をついているように感じます。
宗教学についてや宗教論についての記述の部分では少し読みにくい部分もあるかもしれませんが、全体としては中学・高校生にとっても読みやすい本だと思います。
平成の時代を振り返る際に、とてもいい本だと感じます。
Posted by ブクログ
「平成の社会と宗教」というテーマで4人の論者がそれぞれの立場から平成の30年を振り返り語った本。
平成の30年間は、ぼく自身が生まれてから今までの期間とほぼ一致したので、この30年間の振り返りはすごく身近に感じた
今まで宗教について、深く考えたことがなく、なぜ人は宗教にはまるのか?について考えさせられたり、仏教やキリスト教など2000年以上もの変わらず続いている宗教を学ぶ意義があるのかを考えるきっかけになった。
WHOによる健康の定義も1998年にスピリチュアルという言葉が加わるほど宗教は密接に関わっている。
こと日本では宗教に対する嫌悪感は多少あるようだが、これはおそらく1995年の地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の影響が大きい。
しかし、実際は宗教団体に対する信仰は低下しているものの、パワースポットやオーラなどのスピリチュアル(宗教性)に関しては、存在意義が強くなってきている。
これは、ひとえに現在の人たちの「生きづらさ」を反映している。
昭和時代の敗戦から豊かな日本を取り戻そうと一丸となってひたむきに頑張っている時代には感じることのなかった「なぜ生きているんだろう」という悩みが、バブル崩壊後の平成に一気に溢れてきた。
ものは溢れて豊かなのに、なぜか生きている実感がない。そういう人にとって、拠り所にできるもの、それが宗教なのだろう。
個が強くなってきている昨今、教団としての宗教は弱くなっているかもしれないが、教団とは関係ない個人に対する宗教性は強い。
人が何を拠り所にして生きていくのか?最近は高齢者の在宅医療に関わっているので、いろいろ考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
思ってたのと違ったけどまあまあ
平成論というタイトルに惹かれて読んだけれど,中身は平成における宗教論.池上さんのわかりやすい総論のあとに各著者がそれぞれ1章ずつ考えを書いている.
ざっくりまとめると,バブル崩壊からの心の拠り所として宗教は力を持ったが,オウムの事件で敬遠.ただスピリチュアリティはパワースポット巡りの流行だったり災害を機に改めて重要視されてきている,といったかんじ.
日本での仏教が衰退しているのは僧たちが広める努力をしてこなかったからだ,という記述にはなるほどなと思った.日常で仏教にかかわる場面がないなかで葬式のときだけ高い金を要求されるのだからよいイメージはもてない.
宗教観の希薄な日本で心の拠り所を確保するには,各個人のリベラルアーツ(自由にする技)にかかってしまっている.