漫画「ちはやふる」を読めば、果たしてその超人的な『感じ』の世界が本当にあるのかと知りたくなる。そして、競技かるたの現実を知った時、現実が漫画を超えていることに気づくだろう。
著者、楠木早紀氏は、2005年に若干15歳で女子かるた会の頂点であるクイーンとなり、以降10連覇。11連覇をかけたクイーン戦
...続きを読むには出場せず辞退した、無敗にも程がある人である。もっともそれは男子頂点の名人位でも同じで、西郷直樹氏が1999年から14連覇、譲ること無く辞退している。
とまれ、そんな最強クイーンがどのように競技かるたに望んでいるのか、そのメンタルの強さ、記憶の仕方、試合に対する決意、などを伺い知ることの出来るのは面白い。
楠木氏は、かるた会に属せず父親とつきっきりで練習(因みに父親はカルタ出来ない!)してクイーンに上り詰めてもいるので、そういう意味でも異色の人の強さの一端を伺えるのは貴重。
楠木氏は他人に惑わされず、自分がどうするか、だけに集中するという。対戦相手の研究もしない、と。
それができると頂点にたどり着く、というよりはそれが出来るから頂点に行けるというか…。
もう1つ、自分のビデオを見て、反省するという。クイーンになりうる実力と誰にも負けないからこそ自分しか参考にならないという面があるのだろうが、自分の弱点を、嫌でも見る強さが必要なのだという言葉は参考にしたい。