作品一覧

  • たとえ、世界に背いても
    3.5
    1巻1,771円 (税込)
    20XX年の冬,ノーベル賞受賞者を祝う晩餐会が開かれていた。ノーベル医学・生理学賞の受賞者、浅井由希子博士は,祝宴の壇上で紫斑性筋硬化症候群という奇病について語り始める。彼女の息子はその奇病に冒されていたのだ。参列者が息子の治療の為に研究し続けた母親の言葉に感動した。しかし彼女は美談の果てに「私の息子は同級生達に苛め殺されたのです」と言い放つ。こうして,天才医学者による未曾有の復讐劇が幕を開けた。

ユーザーレビュー

  • たとえ、世界に背いても

    Posted by ブクログ

    テーマ自体は割とある。
    『告白』『リアル鬼ごっこ』『藁の楯』等等。
    でも、その辺りを、超えて充分面白い。
    暴力の描写がちょっとエグくて嫌だったけど、ストーリーの落としどころは好み。
    映像化を見据えてなのか、TVや映画が元々好きな著者なのか、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』の敵役の女性を思わせる浅井博士のたたずまいや、『そして誰もいなくなった
    』っぽい舞台、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の先生が幽閉されてた真っ白な部屋みたいな場所…等々。
    すぐにでもドラマ化できそうだよね。

    0
    2016年11月20日
  • たとえ、世界に背いても

    Posted by ブクログ

    ただの殺し合いの話かと思った、バトルロワイアルみたいな。
    でも、狂人かと思われたノーベル賞学者の本意はがこんなことだったとは。動機は弱い気もするけど。
    たくさん人が死にます。
    (講談社からもらった本)

    0
    2016年05月14日
  • たとえ、世界に背いても

    Posted by ブクログ

    浅井由紀子博士は紫斑性筋硬化症候群という難病の治療用ワクチンを開発したことにより、ノーベル医学・生理学を受賞した。物語は、その授賞式の晩餐会での彼女の長く恐ろしいスピーチから始まる。
    彼女のひとり息子は、生まれてから約1年後にこの病気にかかった。紫斑性という名前から分かる通り、発病すると体に紫色の斑点が出る。それは10年から15年かけて全身に広がるとともに、やがて筋力が硬化し死に至る。
    研究者である彼女は、息子のために母親として研究に研究を重ね、その治療方法について必死になって調べた。しかしその努力も意味のないものになってしまう。高校一年生になった彼女の息子は自殺してしまったからだ。彼女はその

    0
    2021年01月15日
  • たとえ、世界に背いても

    Posted by ブクログ

    斬新な設定と見事な伏線の回収。
    しっかりと一気読み。

    語る視点が変わりながら、一連の事件の顛末をしっかりと回収できるのがすごい。かなり緻密に計算して書かれたんだなというのが、素人目にもよくわかります。微妙に語り手ごとに時間軸が前後していくので、行ったり来たりするのが理解しずらいところもあったけど、そこまで気になることもなく、しっかりと一気読みできました。

    あまりにも天才すぎますが、森博嗣の四季のように、世の中にはこんな人もいるんだろうなと。その天才的な頭脳をどのように使うかは、じつはかなり紙一重で、その人間性が問われる、のかもしれません。
    その頭脳を別の形で生かすことはできなかったのか、彼

    0
    2015年09月23日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!