古くからの地名の中には、命名した人達の「強い想い」が込められている。そういう史実に、各地の人々はもっと矜持を持って、それを胸に「より元気な地方を…」というのが本書を著した筆者の想いでもあるようだ。
“精神論”のようなモノは「片腹痛い」という話しになってしまうのかもしれないが、何か最近は「遠い時代の
...続きを読む人達が抱いた夢や理想」に想いを巡らせてみることのような、「気持ちの豊かさ」や、そうしたモノを「受継いでみたい」と一寸だけ思うような「ささやかな矜持」というようなものが、然程大切にされていないような傾向が強まっているような気がしないでもない…だから、本書で取上げられているような話題は尊いように思う。こうした話題を知り、各地を巡ってみるのも非常に善いであろうし、各地を巡るに至らなくても、そういう各地のことに想いを巡らせてみるだけでも愉しいであろうし、心豊かになれるのではないだろうか?
方々の地方に関して、地方の側からすれば「来訪者がもたらす経済効果」が重要であろうし、来訪者の側でも“消費者”としての各地での「サービスの充実度」を訪問先を選ぶ尺度とするのかもしれないが…かなり方々を訪ねてみた経過が在る身として思うことは、各地方の「何処にも“絶対!!”に真似が出来ない、オリジナルなモノ」というのは、「各地域の物語=歴史」に「尽きてしまう」ということだ。本書で取上げられているような、「遠い時代の人達が抱いた夢や理想」が反映された、「地名の由来の物語」のようなモノは、非常に大切だと思う…
本書はためになる。そして、筆者と共に各地を訪ねているような気分にさえなる本だ。しかし…強烈な“副作用”も在る…本書で取上げられた地域等に出掛けてみたいという気分が沸き起こる…