ボリスストルガツキーの作品一覧
「ボリスストルガツキー」の「ストーカー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ボリスストルガツキー」の「ストーカー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
こういうタイプの「未知との遭遇」は好みだった。遭遇のシーンを描くのではなくて、人々の変化について事細かに記している。
「来訪」から20年経過しても何も分かっていない点がリアルでよかった。地球人の頭脳では説明できないことが、宇宙にはあるかもしれない。地球で我が物顔で生きている人間が、宇宙の高度な文明の存在に気づいたらどうなるだろうというのが、なんとなく想像できて恐ろしくなった。そしてそれが面白い。
間近でゾーンによる影響を見ている人の危機感が、すごく伝わってくる。その危機感は周囲にはうまく伝わらないものだ。心の中ではみんな不安を抱えているのに、あまり表に出さず日常を続けようとするところが人間らしい。
人間の心理、特に子どもに対する苦悩は愛情が根底にあるのがよかったし、私腹を肥やすことしか考えない人間が多いなかでも、主人公レッドの善の部分が人類の最後の希望のように感じた。
Posted by ブクログ
アンドレイ・タルコフスキー監督の映画『ストーカー』や、ウクライナのGSC Game Worldが開発したFPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ(こちらは厳密には原作とは違うかも)で知られるアルカジイ&ボリス・ストルガツキー兄弟によるSF作品。
宇宙から来訪した何者かにより変貌したゾーンと呼ばれる地域。変貌したゾーンを人類は隔離するが、ゾーンに不法侵入し、残された遺物を高値で売りさばくストーカーという存在がいて……
という物語。
まずこの設定が今読んでも全然古臭さを感じなくて、とても惹かれた。
最近だと『裏世界ピクニック』(『ストーカー』の原題が『路傍のピクニック』だからこれはモロにそこから持ってきてますという目配せでもあるか)『全滅領域(アナイアレイション)』なんかは正にこのゾーンだなぁ、なんて思った。
タルコフスキーの映画も勿論傑作で大好きな作品の一つではあるのだが、原作のほうがよりSF的な面白さとジャンル的なメリハリがあって個人的には好み。正直、映画の印象が強いから哲学的でわけがわからないモノが出てくるかも……と構えていたから、結構ビックリした。めちゃくちゃ読みやすいし面白い。
そして本作は来訪者という存在が示す通り、異星人来訪モノ、ファーストコンタクトモノなのなので人類が感知出来ない異常さ、怖さのようなものもある。
ゾーン内で異常な出来事に見舞われて命を落としてしまうメンバーや、ゾーンの影響で口を利けなくなり話せなくなる娘など、異常を前に何かができるわけでもなく、立ち尽くすしかなくなる。そういった様は理不尽で恐ろしくなった。
久々にタルコフスキーの映画版も観たくなった。
それとストルガツキー兄弟が書いたボツシナリオの『願望機』を復刊してくれないかな。
Posted by ブクログ
ロシアの作家で兄アルカジイと弟ボリスのストルガツキー兄弟によるSFで、タルコフスキー監督による映画『S.T.A.L.K.E.R』の原作。
ストーカーという言葉は、ニュースで耳にする他人につきまとう迷惑な異常者のことではありません。地球外生命体が訪れて立ち去った、ゾーンという立ち入り禁止エリアに入り込み、そのとき来訪者が残して行った痕跡(お宝)を盗み出すことを生業とする、いわばトレジャーハンターのような人たちのことです。タイトルで敬遠していましたが、いい意味で想像を裏切られました。
あらすじ:
地球上に突然現れた「ゾーン」。そこは、宇宙からの訪問者が何らかの理由で立ち寄った場所で、重力異常や見えないトラップが点在する危険な領域になっていた。しかし、ゾーンの中には、異星人が残した不可思議な物体があり、それらは高値で取り引きされることから、ストーカーと呼ばれる向こう見ずによるゾーン内への違法侵入が絶えなかった。そんなストーカーの1人”赤毛(レッド)”ことレドリック・シュハルトは、政府の監視やゾーンの危険をかいくぐりながら、違法探索を続けていきます。そんなある日、一緒にゾーンに侵入した〈禿鷹〉バーブリッジから、どんなことでも叶えてくれる〈黄金の玉〉の話しを聞かされて……。
と、地球外生命体との接触ではなく、残された遺物にまつわる話しになっており、いわゆるファーストコンタクトものではないです。むしろホラーと言った方があっているかもしれない。しかし、序章と4章で構成された本書は、後半になるほど読み応えが増して面白かったです。特に3章でワレンチン博士による、異星人の目的とかゾーンの謎についての考察や、4章での〈黄金の玉〉を取りに行く話しがスリルがあって良かったです。謎に関しては、哲学的ですが楽しめました。
それにしても、作中で”タバコ”の出現ワード数が60回もある(他に葉巻が7回、パイプが2回)。禁煙を始めて間もない人は、この本を読むと挫折する危険があるので注意が必要ですね。自分は卒煙してるので、吸いたいとは思いませんが、火をつけるタイミングなんかは実に上手く書けており、妙に共感できて面白かったです。