著者、大家投手の日本球界からはじまったプロ野球人生は、米国のマイナーリーグ・メジャーリーグ・独立リーグにメキシコリーグ、日本独立リーグを経て24年間、40歳で終幕する。その間、様々な契約を経験し、年俸5億円を超える大型契約もあれば、無給のテスト生契約や月給10万円の契約もあった。
この激しい浮き沈
...続きを読むみそ、プロ野球サバイバル。著者の野球人生の歴史をながめると、こんな荒波の中を20年以上も渡り歩き、それでも野球について真摯に取り組み続けた著者の凄みを感じる。不本意な解雇や契約もあっただろうが、自分の実力を客観的に判断し、どんな契約でも冷静に受け入れることができることも、プロ野球人として必要な才能だ。
また、引退してもおかしくない年齢になり、速球が衰えれば、遅球やナックルを主体とするピッチングに自らを変化させる。過去にこだわらず、現実だけを見つめ続けた。
そんな著者のプロ野球人としての契約のはじまりは高卒選手でのベイスターズとの入団交渉。そこで、高校生の著者は契約金の上乗せを希望する。高校生にして、この態度こそが大家投手の野球人生の象徴だ。