作品一覧

  • 公認会計士vs特捜検察
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    ある日、凄腕の公認会計士が逮捕された。容疑は粉飾決算。シロアリ駆除の上場企業、キャッツ経営陣による株価操縦事件に絡み、東京地検特捜部に摘発されたのだった。カネボウ、ライブドア事件でも公認会計士が逮捕されたが、すべて容疑を認めている。だが、キャッツ事件の被告は容疑を否認して、190日間拘留される。「粉飾決算ではない」。専門の会計理論を駆使して取り調べの検事と対峙するが、検察の描いたシナリオのまま起訴される。まさに、佐藤優『国家の罠』の公認会計士版である。裁判では、会計学者から粉飾ではないとの鑑定意見が出され、他の容疑者による被告に有利な証言が相次ぐが、一、二審とも敗訴。東京高裁の控訴審判決直後、白血病の妻が急死するという悲運に見舞われるなか、上告して闘っている。その闘いの詳細を極めた被告自身の手記である。
  • 粉飾決算vs会計基準
    4.0
    1巻2,640円 (税込)
    10年裁判の末、逆転無罪となった長銀・日債銀粉飾決算事件、著者が冤罪と見るライブドア事件、10年にわたる長期の粉飾決算事件であるオリンパス事件、現在進行中のウエスチングハウス買収後の東芝巨額粉飾決算――5大粉飾事件の深層を解明! 「想起すれば、21 世紀は粉飾決算とともにやって来た。本書で分析の対象となっている巨大粉飾決算事件はすべて20 世紀末から世紀を跨いで事件が発生し、21 世紀初頭の司法により決着が図られている。 21 世紀は時価会計の時代でもある。人類は、ベネチアのルカ・パチオリ以来、500 年間という長い年月をかけて、複式簿記による経済活動の測定及び報告の歴史を積み上げてきた。 この500 年に及ぶ企業会計は、一貫して投下資本の回収計算を目的とする取得主義会計により行われてきた。それが前世紀末頃から時価会計が出てくると、時価会計はあっという間に世界の会計制度を席巻してしまった。 (中略) 本書で分析の対象となっている粉飾決算事件は、時代が取得原価会計から時価会計に移行していく過程で事件化し、時価会計が主力となった時代に粉飾決算事件として決着している。 粉飾決算を引き起こした経営者は指弾されてしかるべきであるが、私は事件の背景に、時価会計が経営者の倫理観を毀損していった側面が見えてならなかった。時価会計導入以来すでに20 年近い年月が流れた。 人類史における時価会計導入の功罪が検討されるべき時期に来ている。私はVS シリーズ3 部作の完成版を書きたいと思うに至った。」(本書「はしがきに代えて」より)

ユーザーレビュー

  • 粉飾決算vs会計基準

    Posted by ブクログ

     これは公認会計士である著者が複数の粉飾決算又は不適切会計事件について法的及び会計的な見地から考察し、検察、会社又は監査法人に対して鋭いメスを入れた書籍になります。
     読者に要求される理解度について、さまざまな経済司法事件につきわかりやすく解説していると思いますが、それでもやはり簿記二級程度の理解はあったほうがよいですし、これに対して法律学はさほどわからずとも(それほど奥深いものではありませんから)差し支えありません。

     さて、著者の主張には理解できる点も多いのですが、その一方で、いわゆる証拠構造に厳密性を欠くと感じたのもまた正直な感想であります。
     なるほど経済司法事件における検察の供述証

    0
    2019年04月16日
  • 公認会計士vs特捜検察

    Posted by ブクログ

    会計上は間違った話ではないと思いましたが、会計上と法務上の違いなのか、そのあたりは専門的すぎてわかりません。TVドラマで、99.9がタイトルについた弁護士のドラマやってますが。99.9%の有罪率がとてもよくわかる本です。この本で重要なのは、有罪・無罪という話以前に、あまりにずさんな検察の取り調べですかね。しかも、本来有罪にするべき人が有罪になっていないという。こんなことやってて、それが批判されないなら、99.9%の有罪率も納得です。ぜひ、TVドラマ化してほしいものです。

    0
    2016年04月26日
  • 公認会計士vs特捜検察

    Posted by ブクログ

    まずは、特捜検察のボケ!

    検察官が冤罪を拡大再生産し続けてきたが、彼らは、狙いを定めると、真実を曲げ、捏造の連発。

    で、冤罪が一審で確定してしまうと、それに関連する事件で有罪となった事案は、高裁に行こうが、最高裁に行こうが、逆転無罪となることはない。

    日本国に正義は存在しないのである。

    正義を具現化する「場」である裁判所では、検察とグルになって、冤罪を拡大再生産し続けるわけである。

    検察が偽証を強要するため、実は40回にも及ぶ証人テストがあったことを「正義を具現化するための場」で公にされたにも係わらず、裁判官はそのことをまったく無視したのである。

    因みに憲法37条につい

    0
    2010年06月08日
  • 公認会計士vs特捜検察

    Posted by ブクログ

    『はしがき』
    ・事件は,株式会社キャッツの決算において粉飾決算がおこなわれ,会計監査をおこなっていた大手監査法人の代表社員であった公認会計士の私が,その粉飾決算なるものに加担共謀したとするものである.私の主張は,これらの決算に虚偽記載などなく,共謀などありえないというもの.検察官はもちろんのこと,裁判官でさえ私の主張に無理があるというのである.
    ・いったん日本の司法で疑惑をかけられてしまうと,抗弁するほどその疑惑は火に油を注ぐように強まってしまう.日本の刑事事件の一審での起訴有罪率は99.9%である.控訴審では逆転有罪の数が逆転無罪の数を圧倒的に凌駕し,最高裁への上告は,上告理由がないとして即

    0
    2010年03月05日
  • 公認会計士vs特捜検察

    Posted by ブクログ

    細野祐二さんという実際の公認会計士がキャッツという会社の粉飾決算に加担したとして罪に問われ、今なお続く裁判までの記録をつづったもの。日本の司法制度のあり方について、普段触れることがないだけに色々と考えさせられる本。日本の検察官により逮捕・起訴されてしまうと推定有罪が前提とされてしまう。日本の一審での起訴有罪率は99.9%であり、控訴審では逆転有罪の数が逆転無罪の数を圧倒的に凌駕し、さらには最高裁への上告は、上告理由がないとして即時棄却されるのが通例となってしまっている。要するに一旦起訴されてしまうと、無罪を勝ち取るのは至難の業ということになる。この細野祐二さんは無罪を一貫して主張しており、その

    0
    2009年10月04日

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