相原罫の作品一覧
「相原罫」の「朝日堂オーダーメイド製本工房」「アヤカシ絵師の奇妙な日常」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
読んでいたら、日記を付けるのもいいなと思えるようになった。
いざ自分で書こうとすると長続きしないのだが、それが祖父手作りの日記帳となるとやる気も重みも変わる気がする。
その手作りの日記帳が、拗れてしまった母子の仲も取り持つことになるのだから。
本は読むけど本の装丁までは気にしなかった浪人生と、本は読まないけれど本を作らせたら天下一品の女性職人との出会いから、話は広がる。
最初は前述の日記帳なので、本よりはノートや手帳よりだが、彼が進路を定めてからは、物語の本の装丁の話なども出てくる。
その人のためだけに作られるオーダーメイドの本。
同じ品質のものを大量に出版する(出版数自体は右肩下がりという話は、この際置いておいて)世の中にあって、それとはほぼ真逆を行く職人のありがたさ。
しかも、本を通じて繋がっていく縁の大切さも身に染みて分かる。
その本に込められた想いの大切さも。
日記帳の話も、「青い鳥」の話も、最後のパンフレットの話も、人の縁って不思議で魅力的で、そして大切な縁は時間が経っても、遠く離れてしまっても繋がっているものなんだと、そう感じることのできる話だったと思う。
そして、世界は案外狭い。
大事な縁は、自分も気付かないうちに繋がれて、目の前にあるものである。
どの話も、想いが消える前に間に合って本当によかったと思う。
特に女性職人さんの青春時代の縁が切れていなくて、本当によかった。
元浪人生の彼には、少し気の毒な展開だったかもしれないが。
本の構造などを分かりやすく解説してくれていて、普段読んでいる本により愛着がわいた気がした。
確かに「本好き」なら読んでほしい作品だと思う。
今読んでいるこの一冊に、どれだけの技術と想いが込められているのか、伝わると思うから。
Posted by ブクログ
あやかし絵師違いで手に取った本。
美大に通うのに高い学費を出してもらっているのに、半年で、自分はここにふさわしい人間なんだろうかと思い悩む実乃里に、懐かしいなぁ、才能がないのかなと思い悩む時期もあったなぁと思い出した。
芸術方面は特に才能と環境が重要だろうから、お人好しで、あまり主張しない実乃里にとって、素晴らしい絵を描き、かつ周りとの比較や評価に振り回されない一色のスタイルにあこがれるんだろうなぁ。
実乃里アヤカシ達を嫌悪せず受け入れられる度量というか、おおらかさがあると思うし、足りない技術はくよくよせずに頑張るしかないんだけど、自分で自覚するのって結構難しいよね。
アヤカシとのふれあいが、絵に向き合う逃避行動に思える実乃里の態度だけど、とにかく1つずつこなす解決の道はないので、頑張って欲しいなーと思って読み終えた。
あらすじ
憧れの美大に入学した実乃里だが、周りの才能ある同級生や自分の絵を描く事への情熱が、他と比べて劣っているのではと、悩む日々を送っていた。
そんな中、アヤカシを描くことを生業にしている一色に出会い、彼の絵に牽かれる。自分自身に対する悩みを、彼の絵とアヤカシたちと関わるなかで少しずつ自覚している。