伊達政宗は派手なパフォーマンスを演じるなど自分を売り出すことに長けた豪快な名演出家であり、天下人を支え、最後は副将軍格として徳川幕府安定化の重責を担った「独眼竜 政宗」と知られる。それが生誕450年にしてその人物像が本書により一変したと言える。
発売当初から各書店で第1位の売行きだったので一読
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慶長遣欧使節団の真の目的は、ローマ教皇の力を借りてスペインと軍事同盟を結び、全国30万人以上のキリシタン教徒を使い、徳川幕府を転覆する事であった。伊達政宗は表向きこの慶長遣欧使節団を幕府の共同事業とし、通商目的の為の「訪墨通商使節団」であると見せかけ、本当の理由は隠蔽され、幕府側がメキシコから帰国後、密かにスペイン本国、ローマ教皇謁見迄行なったのである。その方法は実に緻密であり、国内には資料を残さず、ローマ教皇、スペイン国王への嘆願も口頭で行なわせた。但し、幕府に発覚しても謀反の疑いが無いように「キリシタン教徒にはならず」最も卑怯な二股膏薬の方法をとり、ローマ教皇のお墨付き、スペイン国王の軍事同盟は失敗したのであった。
海外のみ現存する一次資料につき、難解極まる古代ロマンス語(ラテン語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語)を理解し、読解する研究者は今迄誰一人もいなかったが、筆者が
50年かけて読解し、真の目的が判ったと同時に伊達政宗の人物像が変わった驚愕の書である。