作品一覧

ユーザーレビュー

  • シュレーディンガーの猫を追って

    Posted by ブクログ

    作品紹介・あらすじ

    生きていて、かつ死んでいること。
    姿を現す前に、立ち去っていること。
    二つの状態をあわせもつ猫とは、
    言葉の別名だ。

    ある夜、庭の暗闇からふいに現れた一匹の猫。
    壁を抜けて出現と消失を繰り返す猫は、
    パラレル・ワールドを自在に行き来しているのか。
    愛娘を失った痛みに対峙しつつ、量子力学と文学との
    接点を紡ぐ傑作。

    *****

    作品紹介を読むとSFっぽい印象を受けるけれど、SFではないし、いわゆる起承転結のある物語でもない(実際には起承転結はあるのだけれど)。小説と読んでいいのかどうか躊躇するけれど、こういう小説もありだよ、と言われれば「そうだな」と頷ける。だから小説

    0
    2025年11月09日
  • シュレーディンガーの猫を追って

    Posted by ブクログ

    例えば、堀江敏幸の小説のように。あるいは蜂飼耳の散文のように。流れる言葉の連なりの中に、作家の思考の断片が幾重にもオブラートに包(くる)まれた状態で見つかるような文章に、惹かれる。フィリップ・フォレストはそんな文章を書く作家のひとり。

    例えば草むらの中に転がる軟式野球のボールの白さにはっとするように。今まで歩を進めていた草原とは隔絶した物語がその白さの佇まいから流れ出すように。文章の森の中にそっと配置された思考の断片に潜んでいた別の言葉の連なりが想像され、思考が繋がる感覚を得る。しかしそれは龍安寺の石庭に置かれた庭石のように観察者の意図を寄せつけぬようでもある。加えて、石の配置の意味するとこ

    0
    2021年06月03日
  • シュレーディンガーの猫を追って

    H

    購入済み

    理解が・・・

    物理学は嫌いではありませんが、やはり、一般常識が通用しない、量子の世界はついてゆけない処があります。私には、楽しく読めませんでした。ただ、途中で放り出すことにはならない程度で、興味を引きました。その意味で、☆三つです。

    0
    2021年12月31日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!