<メモ>
・介護保険外サービスは3種類。①公的(市町村独自:配食等)、②介護事業者提供(ペットの散歩など生活に必要な範囲を超えたもの)、③民間企業提供(トラベルヘルパー等)
・地域包括ケアシステムの構築に向け、住み慣れた地域で人生の最後までという方針。在宅医療と在宅介護・看護が必要
・その役割を担う存在として、介護保険外サービスがある
→介護保険は総報酬がアップしたにもかかわらず、基本報酬のアップはほとんど実現せず、人件費や経費が増加すし、定着率が高いほど人件費も増加するジレンマがある
・LTVの最大化を目指した事業展開、介護事業における人的リソースを活用し新しいキャリアの創出や生産性の向上を目指し、保険外リハビリや自費訪問看護サービス等を手掛ける。人材紹介、士業と連携を図る等がトレンド
・利用者が保険外サービスを利用する際には、まずケアマネに相談するケースが多い。他方、介護保険の区分限度支給額が上限に達していたりで、利用できないといわれるケースがある。自費でも良い旨などを積極的に伝えていく必要がある
・また、ケアマネが知らないケースもある。業務の中で地域内の自費サービスを探すことは優先度が低い仕事にならざるを得ない
・24年改定で、介護報酬はプラス1.59%だが、訪問介護は利益ですぎでマイナス改定された
・団塊の世代がすべて75歳以上になる25年にかけ、65歳以上人口、とりわけ75歳以上人口が急増。その後、40年にかけて増加が緩やかになる。50年まで75歳以上人口は増加する。要介護認定率や1人当たり介護給付費が急増する85歳以上は25年まで75歳以上人口を上回り増加、35年まで一貫して増加する→その中、40年には介護職員は57万人ほど不足する見込み
・経産省の作成した「アクションプラン2023」には、高齢者が住み慣れた地域で自立度高く生活することで、間接的にビジネスケアラーを含む家族介護者の負担を軽減することが可能、と記載。介護保険外サービスの進行と、高齢者やその家族が安心してサービスを利用するために、介護保険外サービスの信頼性確保の在り方も検討するとしている
・介護保険サービスを提供している介護事業者は、高齢者に対してサービスを提供することに関する知見やノウハウを持っているが、自らサービス企画するなどが必要。一方、それ以外の事業者はマーケティング力はあっても、高齢者や家族のニーズについての情報やチャネルが不足していること、要介護者に代表される高齢者との接点が限定的、サービスの認知方法も整備されていない等
・介護保険事業者の提供する介護保険外サービスは、訪問介護事業者による家事手伝い、買い物代行、通所事業者によるお泊りデイサービスなど延長線上のサービスが多い
・ケアマネなどが保険外サービス情報を入手しにくいことも挙げられる。地域を管轄する役所の介護保険課や地域包括支援センターの担当者に働きかける必要がある
・ケアマネには抵抗感がある場合がある。1つはサービス内容が分からない、2つ目ができるだけ利用者の金銭的負担を増やしたくないから
・24年には保険外サービスの社会的認知度の向上等を目的とする、介護関連サービス事業協会が設立された。経産省、厚労省は同協会と連携し、地域包括ケアシステムの強化に向けて、公的介護保険の補完的役割としての保険外サービスの産業振興に取り組むとしている
・公的保険外のヘルスケア、介護にかかる国内市場を50年に77兆円(20年の24兆円から)。領域としては介護に関するもの、ヘルスケアの周辺産業(看取りや終活、医療機関や介護施設の運営を支えるサービス、ヘルスケアのR&Dを支えるサービス等)
・どんな保険外サービスを利用したいか、という選択肢で最も多いのは宅配サービス。配達の際に安否確認も兼ねる。行政の指定配食業者として認定されることで、配食兼見守りサービスとしてケアマネジャーの認知度も高くなる。次点で訪問理美容、以下はほぼ同率で見守り、家事代行、外出支援。トラベルヘルパーは2%程度
・家事代行、生活支援サービスとしてクラッシーの生活総合支援サービスでは料理、掃除、介助等選択。見守りとしてはセコムの365日対応が紹介。寝具衛生加工サービスとして、寝具を洗濯するものでアースサポート等が手掛ける。トラベルヘルパーとしては、エスピーアイ。シニアセラピーとしてALSOKのリラクゼーションサービス。
・利用したいサービスは家事代行、宅配、買い物支援、見守り、駆け付けが上位。次点で運動、認知症予防等認知症予防や健康寿命を延ばすサービスも好評
・利用意向率としては7割近い。情報収集はインターネットが最多。市の広報誌、パンフレットなど紙メディアも続くが行政発行という資料に対する信頼感があるため・ケアマネ、友人等が3位群。入手していないが6割近くある
・リハビリなどでは、入院期は毎日最大3時間、離隔療法士等とマンツーマンで機能の改善ができるが、退院後は機能の維持に変わり、リハビリも集団で行うなど量も質も減ることに不満がある。リハビリ難民も生まれている、維持以上の回復を望む傾向が患者に増えている
・一社のアンクルでは、見守りキーホルダーを登録者に配布。何かあれば事前に登録された医療機関や警察へ通知、家族へも連絡することができる
・MCI向けにはくもん学習療法などで、読み書き計算、コミュニケーションにより脳機能の維持と改善を図る
・自治体では、港区が配食サービスを提供(地域包括支援センター連携)。民間では日本ケアサプライなどが弁同をデイサービスの車両で配送し、配送コストを削減。セブンミールは拓殖を提供。配食は競合が多いが、追加コストはかかり辛いので、既に介護施設で食事を提供しているなどでコストを抑える工夫
・千葉浦安では居宅内介助、居宅外介助を手掛ける。日本交通では介護タクシーを単なる送迎のみならず、買い物の後の荷物の仕分けの手伝い、お墓参りの送迎時の墓の掃除、外出に伴うサービスを提供。70代の利用者が多く、要介護認定は受けていないが外出に不安がある人が多い
・東急不動産がホームクレールとしてシニア向け住宅で開催する事業者と、スクール運営の特化もある。趣味は映画鑑賞、園芸、読書、美術鑑賞、遊園地・水族館・動物園、カラオケ、音楽鑑賞、演劇鑑賞、カメラ、日曜大工等
・コナミやルネサンスなどは、介護予防に関心があるシニアを対象に取り組み。コナミの60歳からの運動スクールOyz等がある。70代前半を中心に60~80代。同社の受託する自治体の介護予防プログラム(地域支援事業)の参加者が、終了後にOyzに来るケースもある。くまもと健康支援研究所は、地方の商店街の空き店舗や旅館と遊休スペースを活用して、フィットネスクラブなどが充実していない地域でも介護サービスが受けられるように。アグリマスはデイサービスの拠点と人材を活用し、地域住民向けのヨガスタジオや運動プログラムのネット配信など介護予防に取り組む。午前中は介護保険内、午後はヨガスタジオとして高齢者に限らず地域向けに
・資生堂ジャパンは化粧療法のプログラムを、介護施設や介護予防イベントで提供。
・日本郵便は月額2500円で、近くの郵便局員が月1回利用者宅を訪問する、ヒアリングし、写真を撮り家族に送る
・介護や医療人材に特化した人材マッチングはクラウドケアなどが提供。その他、インターネットから訪問介護ヘルパーの派遣を依頼できるサービスを提供
→小田急と事業提携し、小田急くらしサポート経由で、買い物代行をはじめ介護にまつわる悩みを持つ生活者の解消
→リンクジャパンのスマートホーム統合アプリHomeLinkから、慈悲訪問介護ヘルパーの派遣申し込みができる機能を実装。
→野村不動産、野村不動産ソリューションズ、野村不動産パートナーズの共同運営である野村不動産グループカスタマークラブという、NOMURRA WORK LIFE PLUSと提携し、クラウドケアのサービスを割引料金で利用できる。野村不動産の取引しているお客様やテナントの従業員向けに提供している
・nabetomoはLINEを活用したオンライン脳トレ会話サービス
・よく見られる例として、リハビリスタッフが忙しい、というケースがある。この場合、機能訓練計画書の作成などの業務が負担になっているのであれば、サポートするDXサービスが効果的。すべてをリハビリ職がせずとも介護スタッフが作れたりする。また、現在運営している介護事業所と同時に運営し、シナジーをきかせる
・保険外サービスの場合、医療機関や介護施設への営業活動を始めると、ソーシャルワーカーやリハビリ専門職等からは好意的な反応が得られるが、実績が乏しいとつながりづらい。介護施設からは価格が高いとして話を聞いてもらえない。地域の認知度を高めることが打破の一つ。当事者や介護・医療食向けに研修回答を実施する等。この研修会に参加した訪問介護事業所の訪問ヘルパーからつながる等。
・さくらCSホールディングスは、介護のスキマバイトとしてもん助。介護事業所と未就業の有資格者、副業やわーケーションを兼ねて働きたい人をマッチング。HBC(北海道放送)と共同で実施しており、テレビを使った広告を用いて、アプローチ。また、介護記録ソフトの「Care Viewer」。書類の電子化サービス。介護計画や議事録、行政提出書類等、どうしても紙でのことっている管理が必須な書類を電子化。介護ソフト業界では請求ソフトの導入がメインだが、それだけでは進まない。記録をモバイルで、PCで入力保存検索できるようにすることで時間を短縮したり、高齢職員や外国人にも使えるように
していく。介護記録をデータ化し、得たビッグデータをAI解析し、健康状態の逸脱にかかわるアラート通知、介護計画の自動作成等を行い、仕事の質の標準化、生産性の向上を目指す
・ケアマネ向けの勉強会やセミナーで、具体的な効果を実感してもらう機会を提供。パンフレットや動画を活用して、紹介する。紹介した場合にはユーザの初回体験プログラムをさらに割り引くなどのインセンティブ設計で広げる。他のユーザの声をまとめて、地域の会合などケアマネジャー同氏のネットワーク内に拡げることも一つ
<所感>
・機に敏い、としてどこの領域でも必ず既に先行者がいる。市場的に巨大な資本を持っていたり、莫大な売り上げや利益につながるものではないので、「提携」によるVCをうまく補完する必要性も相まって、既にエコシステムが形成されている(垂直統合型の市場形成期から、参入者が増えコストカットをしていくにあたって外注、専門化が進み水平統合という動きのさらに前。ちょっとやってみる)