著者が講師として登壇している講義を受講したことをきっかけに、本書を購入。講義終了した当日、帰宅途中に書店で本書ともう一冊を手にとった。本書は、講義の復習に最適な一冊だった。
私は一企業に30年勤務しているしがないサラリーマンだが、55歳、60歳という節目の年齢が近づいてくる中、このままこの会社で働き
...続きを読む続けることだけでいいのだろうか?という疑問を持ち、選択肢の幅を広げたいと思って情報収集を始めていた。
前述した講義も、情報収集の一貫。早稲田大学の公開講座に定年後の仕事についての講義があり、申込みをした次第だ。
本書には、今までの自分のキャリアを棚卸して、自分にはどんなスキルやノウハウが身についているのかを振り返る作業と、家族を巻き込んで(これ大事、突然会社辞めると言って家人に反対され頓挫する場合もありうる。早い段階から相談して一緒に考えることの大切さを教えてくれる)第二の働き場所を確保すべく計画的に準備を踏んでいくこと等が学べる。
本書で紹介されるインディペンデント・コントラクターという言葉を著者である木村さんから初めて聞いた。個人事業主として企業と業務委託契約を締結して働くという手法。起業するのとは違って、今までの企業で培ったスキル・ノウハウを生かして今の仕事を個人が独立して担っていくというもの。
転職市場で50歳代は、よほどの実績がない限り厳しい環境と言われているが、転職することだけが選択肢ではない。雇用を前提とした働き方もあるが、独立して働くという選択肢もあることを学べた。
たいした経験なんてしていないと思いがちだが、社外の第三者が聞くとすごい経験として歓迎される場合もあるのだそうだ。
私にとっての働くということは、ボランティアやNPO法人への関わり含めて幅広く捉えることができた。木村さんから元気ももらえた気がしている。
今働いている会社の雇用延長制度の利用も選択肢の一つだが、迷いのある人は本書を手にとってみてはいかがだろうか?