んー普通です。
が、大学の工学部では解析学は(当然のことながら)数学基礎論は学ばないため、証明論を学ぶ機会は少ない。
しかも、証明論を平易に語る書籍が少ないのだ。本書はその数少ない書籍なのだろう。
第1章は公理とは何か、第2章は数学の基礎(実証主義、直観主義、形式主義)、そして第3章が証明論であ
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目標はGödelの不完全性定理なのだろうと読み進めていくと、自然数論を含まない公理(例えば群論)系に対する無矛盾性を示して終了。
証明方法は大学の教科書に載っている方法である。
自然数論を含む公理系に関してはGödelの不完全性定理から、無矛盾性及び完全性は否定されている。それをもって証明論自体の存在意義を失っていると考えるかもしれない。
筆者が言うように、集合論や実数論における(有限の立場での)無矛盾性は証明されていない。まだまだ研究の余地はあるということだ。
そして何より、数学の健全性ということを証明するためには、この数学基礎論が主役となるのだ。今後の研究成果に期待である。