カート・ステンの作品一覧
「カート・ステン」の「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「カート・ステン」の「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
興味深かったこと
FGF5を除去したマウスは、毛周期の成長期が非常に長くなるので、FGF5が毛幹の長さを制御するブレーキの役割をなしている。
音のストレスはホルモンや神経を介して毛の成長を抑制するのに対し、外側からの直接の傷は毛の成長を刺激する。
毛幹の成り立ちは、映画が多くのコマで構成されているのに似ている。映画の一コマ一コマが長い物語の断片を映し出すように、毎日、毛幹の底に付加される細胞にはまさにその日の健康状態が記録されている。(中略)毛幹はひと月あたり1.3cmほどのペースで伸びるので、水銀が記録された’’コマ’’は魚を食べた3ヶ月後に皮膚表面から約2.5cm上の位置にある。
Posted by ブクログ
本書は題名の通り、毛髪を始めとする「毛」と人類の関わりについて、生物学、歴史学、文化人類学等々の幅広な見地からの多彩なトピックを集積したもの。毛の成長を司るメカニズムや、毛の人種や体の部位による構造の違い、発毛を促す最先端技術などは初めて知る部分が多く興味深く読めた。終盤、近代西洋社会の成立と羊毛の関係を論じる段がやや冗長に感じられたのは、訳者あとがきにある通り、羊毛が本質的に日本人にとって外部である西欧からもたらされた「テイラーメイド」なものであり、社会・経済的なプラットフォームとして機能した歴史が浅いからだろう。
著者は毛髪の発生部位である「毛包」研究を専攻とするイエール大の医学博士。