もしかすると、これは基礎中の基礎。今の高校生が習う「情報」の授業などで最初に教わる内容かもしれない。
私は受験したことがないのだが、ITパスポート試験などでも出題されるものかもと思った。
個人的な考えになるが、これらの知識は本当に大事な基礎知識だと思うのだ。
今後ますますテクノロジーが進化していく中で、未来がどうなっていくのか。
それを予見するためには、過去から現在までがどういう流れでテクノロジーが進化してきたのかを知る必要がある。
今の時代に生きている人は、あまりにも「今」しか見ていないように感じてしまうからだ。
当然、今という瞬間が最重要であるし、今を生きていくという積み重ねこそが、未来を作っていくのは間違いない。
しかし、本当にそれだけでよいのだろうかと疑問に思ってしまう。
テクノロジーの進化は年々加速している。
そのスピードは恐ろしいくらいで、昔の感覚のままでは、絶対に取り残されてしまう。
ほんの数年でゲームチェンジが起きかねないし、さらに言えばゲーム全体がリセットされることも起きる可能性だって否定できない。
本書を読むと、そもそものPCが動く仕組みが理解できるだけでなく、何がボトルネックとなって技術的進化が停滞しているかも解説してくれている。
逆に言えば、課題がハッキリと見えているため、その課題を解決しようと、世界の数々の天才たちが日夜挑んでいるということだ。
そして、文字通り誰かが課題を解決すれば、技術の扉が一つ開き、次のステップに社会が前進していく。
思い返せば、生まれて初めて買ったPCは「Macintosh LC3」だった。
ピザボックススタイルと言われた廉価タイプで、RAMは増設して16MB、HDDは120MBくらいだったような気がする。(記憶は曖昧なのだが)
確か1993年頃だったので、2024年の今からは約30年前ということになる。
この文章を書いているノートPCのスペックは、RAMが16GB、SSDは512GBだ。
つまり約30年間でスペックは2の10乗(1,024)倍ということか。
ムーアの法則とは合致してない気がするが、それでも約千倍である。
車だって飛行機だって、30年経っても最高速度が千倍になることはあり得ない。
リアル空間のもので、スピードが2倍になるだけでも相当に難しい。
ロシア-ウクライナ戦争を見れば、最新兵器での戦闘も当然あるかもしれないが、今でも戦車など昔ながらの戦闘方法が幅を利かせている。
人生100年時代を考えると、おそらく私は30年後も生きていると思う。(そう願う)
その時に今のPC(RAM16GB)が、2の10乗(1,024)倍となれば「16TB」だ。
そもそも、そんなにメモリが必要なのか?
もっと異なるテクノロジーが発明されて、全く違う社会になっているのか?
それは、そうなっているかもしれないし、なっていないかもしれない。
誰も未来は予測できないのだが、千倍を超える速度で進化していくことは確かだろう。
CPU→RAM→SSDを繋いでデータをやり取りしているものが、CPUだけで完結してしまうかもしれない。
今はその「繋ぐ」部分が銅線だったりで、電気抵抗による発熱などがボトルネックになっていたりする。
それらがCPUだけで完結し、何ならCPU→ネットワークへの繋ぎも、電気ではなく全て光だけでのやり取りも構想されていたりする。
ハードウェアの進化に合わせて、その上で動くソフトウェアについても進化を繰り返し、30年後と言わず近い未来には、人類のコミュニケーションのほとんどがバーチャル空間内で完結されていくのだろう。
通勤電車に乗って会社や学校に普通に通っていたが、コロナ禍によってテレワークが普通となり、ホワイトカラーのほとんどの仕事がオンラインでできることが分かってしまった。
(もちろん絶対にオンラインに乗せられないエッセンシャルワークは存在する。それはそれで本当に貴重な仕事だ)
ZoomやTermsで会議することが普通になったが、これがメタバースに移行していくことは、なんら不思議ではない。
むしろ必然と言っていいだろう。
平面の感覚ではなく、立体的に、よりリアルに相手の雰囲気を感じられたら、会社の仕事は益々在宅化していくのではないだろうか。
不便があるということは、それを解決するための発明が繰り返されていくだろうし、気が付けば道が開けたように一気に視界が広がって違う世界にたどり着くかもしれない。
やはり改めてこういう基礎知識は必要な気がする。
これが理解できれば、技術の何がボトルネックとなっているのか。
それがどうやって解消されていきそうかが見えてくる。
そして、その先にどんな世界が現れるのか。
私自身世界が変わることが楽しみで仕方がない。
未来に対する不安がないとは言えないが、いずれ訪れる未来世界で生き残るために、その社会を想像して準備していけたらと思っていたりする。
(2024/8/8木)