多湖淳の作品一覧
「多湖淳」の「戦争とは何か 国際政治学の挑戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「多湖淳」の「戦争とは何か 国際政治学の挑戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
歴史上の戦争をデータセットとして蓄積して共有し、それを統計的に分析するような「科学的な戦争研究」が進展していることを書いた一冊。
「それぞれの事件は個別具体的で固有のものなのだから、ひとくくりにしてデータとして分析しても意味がない」といった考え方を退けるスタンスである。
そして、科学的というだけあって「実験」も用いる。もちろん実験で戦争を行うということではなく質問文の違いによる世論の変化を探るとかそういうのだが。
こうした科学的戦争研究は20世紀後半から始まったもので、その時期は国対国の戦争が激減した時期である(もちろん、2つの世界大戦で戦争の高コストが痛感された影響)。
それゆえにか、科学的戦争研究では「内戦」も視野に入れている。「テロの時代」への対応ともいえようか。
というわけで2010年代までの動向を紹介している一冊だが(2020年1月刊行)、その後にウクライナ戦争が発生している。
この、時代を逆行するような出来事がどう分析されるのか興味がわくのは当然の読後感だろう(本書中にある紛争リスクの世界地図において、ウクライナは最高リスク地域ではない=コーカサスよりリスクが低い)。
Posted by ブクログ
戦争に関する定義がそもそも非常に難しいため、定量的な分析、法則性の発見にどれだけ意味があるのかというのは事実である。
しかし、安直に定量的な検討を捨てず、検証可能な研究を積み上げていくことは、戦争に関する学問を確立していくために必要なことである。
本書を読む限りでは、自然科学に匹敵するような学問になるのは相当大変であると考えられるが、戦争に関する有益な知見を積み上げるためにも頑張ってほしいと思う。
なお、全般的には本書を評価するが、第5章において、まだ完全に真実として確立されていない知見を持って、断言するように日本について語っているのはいかがかなと感じた。
まあ本書は学術書ではなく新書であることから、多少一般読者向けのサービスはした方がよいのかもしれないが、第4章までの内容と少し重きが違っていて、多少残念に感じた。