後宮モノもバリエーションが増えている。もっともこれを書いている時点では出版は既に3年前だが、いつのまに飼育員系公主なんてものがいたのか。
出てくる動物は世界各地津々浦々の動物たちで、漢字表記で一瞬戸惑うが馴染み深い動物たち。かつては江戸の見世物小屋にもアフリカの動物さえいたというのだから中華にはも
...続きを読むっと様々な動物がいたのだろう。
双頭の蛇にニシキヘビ、レッサーパンダとパンダなど、時代が時代なら珍妙な動物たち。
確かに縁起物だと思える。
さて、公主の彩華は世間知らずでこそあれ礼儀知らず、また常識知らずでもない好感の持てるまっすぐなヒロイン。実際無血開城してしまったんだし、戦乱の気配が薄い遠戚の公女であれば戦に対しての意識などこんなモノだろう。
皇帝も実利を重んじるものの話の分かる武官系。考えを受け入れる若さも柔らかさも持ち合わせていてなかなか良い。
終盤のもふもふ大乱闘はカタルシスたっぷり。ゆき哉先生のイラストが挿入されているのだがライオンと虎に混じって子パンダが吠えてるのが面白おかしい。この辺は男心をくすぐられる。でも角川ビーンズ文庫でくすぐるのが男心でいいのか?
続刊出てないのは残念。