小売業界を俯瞰する興味が湧いてきて、本書を購入した。数式を駆使して数的処理をするのは苦手だが、売り上げや利益などの数字を追うのは楽しい。業界の変遷を追うにつけても思うのが、安売りを武器として攻勢をかけてきた企業の低落が目立つことだ。ヤマダ電機やしまむらは規模のメリットで低価格を実現したようだが、最近
...続きを読むの苦戦は衆目が一致する。ダイエーも消えていった。価格競争は暗い戦いであり、暮らしに明るい光を差し込むものではない。文化は精神の光であるという言葉があるが、苦しい暮らしにも人々が明るさを求めて商品やサービスを買う流れは来ている気がする。効率化を追求して便利とか低価格を実現する必要性が一方であり、またそれ以上に文化の光に浴したい望みが強くある。従って、働く者も文化をある程度まとう努力が求められよう。