前川道介の作品一覧

「前川道介」の「蜘蛛」「第三の魔弾」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • プラハの大学生
    -
    1巻660円 (税込)
    後ろで老高利貸しが何やらお祈りめいた仕草をした。すると、鏡に映った自分が視線を老人のほうに移し、ぎごちなく身動きして、こちらへむかって歩き始めた! その鏡像は鏡から抜けだし、深い悲しみを宿した一瞥を残して、老高利貸しのあとについて去っていった……。巨万の富とひき換えに、悪魔に己れの鏡像を売り渡した一人の大学生の恐怖を、十九世紀初頭のプラハの町を舞台に描く、傑作ドイツ表現主義映画の小説化。
  • 蜘蛛
    -
    1巻770円 (税込)
    一九一〇年代から三〇年代にかけて「プラハの大学生」などのドイツ怪奇幻想映画の作者として不朽の名作を生み、わが国にも、熱烈なファンを生みだしたエーヴェルスは、ホフマン、ポーの系列をうけ、ドイツ読書界を風靡した怪奇文学ブームの中心人物だ。常識への挑戦のかたちをとった美神礼賛を基調とし、解放された本能や欲望が渦巻く深層心理を描き、現代都市に恐怖を出現させた。森鴎外に紹介されてより、待望久しい本邦初の珠玉短篇集。
  • 第三の魔弾
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    16世紀、神聖ローマ帝国を追放された“ラインの暴れ伯爵”グルムバッハは新大陸に渡り、アステカ王国のインディオたちに味方して、征服者コルテス率いるスペインの無敵軍に立ち向かった。グルムバッハは悪魔の力を借りて、コルテス軍の狙撃兵ノバロの百発百中の銃を手に入れるが、その責を問われ絞首台に上ったノバロは、死に際に三発の銃弾に呪いをかける。「一発目はお前の異教の国王に。二発目は地獄の女に。そして三発目は――」コンキスタドール(征服者)時代のメキシコを舞台に、騙し絵のように変幻する絢爛たる物語を、巧みなストーリーテリングで描き切った幻想歴史小説。大戦間ドイツで絶大な人気を博し、ボルヘス、カルヴィーノ、グレアム・グリーンら、名だたる目利きたちが愛読、世界的な再評価が進んでいる稀代の物語作家ペルッツの長篇第一作。

ユーザーレビュー

  • 第三の魔弾

    Posted by ブクログ

    カッコいい題名として名前と大まかなだけ知っている歌劇『魔弾の射手』。こちらも悪魔と取引して魔の銃弾を手に入れたドイツのお話(という大まかなあらすじしか知らない)。
    こちらの『第三の魔弾』も魔弾を手に入れるのはドイツ人。題名の付け方も「序曲」「終曲」とかだから、やっぱりオペラっぽい筋立てなのかなあ。

    物語の歴史的出来事を。
    ❐1519年スペイン侯爵のコルテスがアステカ帝国を制服する。アステカの王モンテスマは死ぬ。

    ❐1945年シュマルカルデン戦争。
     神聖ローマ皇帝カール5世と、反皇帝同盟プロテスタント軍の戦い。皇帝軍が勝利し、反皇帝同盟ザクセン侯は捉えられた。

    ❐1945年スペイン侯爵コ

    0
    2025年04月20日
  • 第三の魔弾

    Posted by ブクログ

    読み始めるとあっという間に惹き込まれ、読むのが止まらなかった。
    じつは買ってから1年近く積んでいた。以前読んだ『アンチクリストの誕生』は短編集で気楽だったのに対して『第三の魔弾』の厚さに手を出しかねていたのが阿呆らしい。ペルッツの他の本も買わねば。

    クロースターカッツ(修道院の猫という意味。美食家で厚かましい人物のこと)という語が出てきて、ロセーロの『無慈悲な昼食』の教会に住んでいる猫のことを連想した。意味もぴったりだし、同じ言い回しがスペイン語にもあるのか、単にそれほどよくある事実なのか。

    0
    2021年08月24日
  • 第三の魔弾

    Posted by ブクログ

    時は16世紀。
    ラインの「暴れ伯爵」と渾名されるグルムバッハは、
    聖職者の俗権への介入を厭い、
    抵抗して、神聖ローマ帝国皇帝から追放処分を受け、
    スペイン人未入植地で農業に従事しようというドイツ人たちのリーダーとなって、
    フェルディナンディナ島(キューバ)へ。
    後にコンキスタドール(Conquistador)と呼ばれる新大陸征服者の一人、
    アステカの財宝を狙うコルテスの無敵軍と対立する。
    部下が博奕に勝ったことで、
    百発百中の腕を持つ狙撃兵ノバロの小銃を巻き上げたグルムバッハだったが、
    コルテスの命令で絞首刑に処せられたノバロが
    死の間際に吐いた呪詛の言葉に縛られる。
    曰く、グルムバッハが三発

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    2017年10月24日
  • 第三の魔弾

    Posted by ブクログ

    読み終わってしばし、呆然。
    突如、時系列が断ち切られて
    別の時系列に繋がる、映画的な手法が
    とられているから。

    キリスト教や世界史の知識があれば
    さらによく分かるんだろうなと
    思いつつ、血なまぐさいストーリーの
    中から浮かび上がる登場人物たちの
    個性的なキャラ力のおかげで、
    一息に読めた。

    「巨匠とマルガリータ」にも通じる世界観。

    0
    2016年03月24日

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