日暮吉延の作品一覧

「日暮吉延」の「東京裁判」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 東京裁判
    4.1
    1巻1,155円 (税込)
    「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家) 東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争に終止符を打つ。第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞作。

ユーザーレビュー

  • 東京裁判

    Posted by ブクログ

    A級とB級、C級戦犯の違いは何かから知らなかったが、本書を読んで東京裁判がどんなものだったのかを知ることが出来た。本書は客観的であり、膨大な事実をもとに書き上げられているため、悪戯に日本人が大好きなパル判事を持ち上げたりと言った事もなく、安心して読むことが出来た。検察側、弁護側、判事側とそれぞれが自国の背景を抱えながら参加し、うまく行ったり行かなかったりと、そこにも人間模様があるのが生々しく、主張と妥協の末にやはり物事決まっていくよなと思う。

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    2022年10月02日
  • 東京裁判

    Posted by ブクログ

    映画を観るにあたり、予習として読みました。
    国際関係の視点が強いことが本書の特徴であり、東京裁判の特徴や欠陥などを論じつつ、当時の主要国の対外利益を踏まえた行動を解説するあたりが非常に面白い。どちらかに偏りがちなトピックにおいて、冷静な根拠分析かは著者の意見を述べていることにも好感を持てる。

    アメリカが裁判の平等性に拘ったこと、赦免時には裁判の正当性と冷戦情勢の変化による早期決着のジレンマに挟まれていたことなどは、読み進めるに当たり非常に面白かった。

    アカデミックでありやや難しい気がするが、読み応え十分の良書。

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    2022年08月16日
  • 東京裁判

    Posted by ブクログ

    [法廷という政治]丁寧に第一次資料を積み重ねながら、今日においても論争が絶えない東京裁判を、「国際政治」の場だったと捉え直した作品。戦中・戦後の混乱の中で、各国・各人の異なる思惑がいかにして東京裁判という場に結実したかが解き明かされています。著者は、2008年にサントリー学芸賞(思想・歴史部門)を本作で獲得した日暮吉延。


    東京裁判やその評価に関する書籍は数あれど、ここまで総合的に透徹した情報や見解を盛り込んだ作品は珍しいのではないでしょうか。国際政治という強弱の軸を東京裁判にとおすことにより、本書は長年続いた正邪に関する論争に今までにない回答をもたらすだけでなく、何故にこの「歴史」が外交課

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    2016年09月12日
  • 東京裁判

    Posted by ブクログ

    表題の「東京裁判」とは、いうまでもなく、戦後日本の占領期において、聯合国側によって戦争犯罪者を裁いた「極東国際軍事裁判」のことで、そこで東條英機元首相らが「A級戦犯」として裁かれたことなどは一般常識の範疇であろう。しかし、わたしたちはほんとうに、この裁判について知っているといえるであろうか。この本を読むと、われわれがいかにこの裁判のことについて表面的な智識しか持ち合わせていないかに気づかされ、驚かされる。たとえば、B・C級裁判にかんしては、教科書でもほんのすこししか触れられていないので、本書に登場する関聯する記述のいっさいがいちいち新鮮な驚きであった。あるいは、戦犯の釈放について。戦犯と聞けば

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    2016年01月04日
  • 東京裁判

    Posted by ブクログ

    本書は、東京裁判が「『文明の裁き』と『勝者の裁き』の両面をあわせもつ」ものとした上で、国際政治の舞台及び手段であったと提唱している。さらに本書は、国際政治としての東京裁判の目的が、「連合国と日本の双方にとって『国際政治における安全保障政策』」にあったことを指摘している。

    本書は、「歴史」の確定自体が政治的行為であるとしたうえで、東京裁判を「国際政治の結果」と割り切ることが重要であるとの見解を示している。今後東京裁判を考えていく上で、「文明の裁き」「勝者の裁き」といった従来の対立構図にこだわるのではなく、「国際政治の結果」として成功したのかどうかを考えることが、研究の一方法であることをも語って

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    2010年07月17日

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