「今の政治家には雑巾がけが足りない」と繰り返す史上最恐の上司、小沢一郎。その彼に仕えた筆者だからこそ書くことが出来る自身の『修行時代』から得ることの出来た教訓は本当に貴重なものばかりです。
筆者は『小沢部屋』に仕えた政治家として、また『陸山会事件』の被告として現在も裁判で係争中の筆者が綴る書生時
...続きを読む代の『修行』のお話です。
大望を抱いて北海道は足寄から東京の早稲田大学に学び、筆者の選んだ就職先は『小沢部屋』こと小沢一郎事務所。そこで筆者が住み込みの秘書として修行生活を始めた筆者を待ち受けていたものはまぁ、理不尽。理不尽。また理不尽のオンパレードで本書をして『史上最恐の上司』と言わしめた小沢一郎に仕えるということはいったいどういうものなのか?そういうことを考えていました。
これと近い生活をしているのは武道における寮生。もしくは内弟子と呼ばれる制度や、職人の世界における徒弟制度を記録したものや当事者の自伝で、過酷な稽古や師匠と行動を四六時中とものにすることによって武道なり仕事なりの『精髄』を学ぶというものであります。ただし、その分の修行が辛く、厳しいものであることは言うまでもありません。
筆者が経験した『雑巾がけ』というのもそれに準じることで、小沢一郎という『試練』をいかに筆者が耐え抜いたのか?そのことを軽快なユーモアを交えながら綴っておりまして、少しクスっとしながらも『自分だったらこれに耐えられるだろうか?』と自問自答しながら読んでおりました。
住まいは小沢邸の中にある一室で四畳エアコンなし、さらには低賃金で朝は5時から起きて庭掃除から始め夜は先輩秘書との飲み会になるため慢性的な睡眠不足となり、さらには頻繁に落とされる理不尽なカミナリ…。これには何の説明もなく、あとから先輩の秘書から『あの時はああだったから』ということを教わるまではまったく何の説明もないというエピソードを読んだときには
「よくここで歯を食いしばっていたよなぁ」
と筆者にエールを送っておりました。
やがて、筆者も選挙の参謀を勤めたり、後輩秘書の上に立ったりと成長を果たし、『小沢部屋』から独立して自分で代議士という『一国一城の主』となっていく姿は希望が持てるもので、いま、筆者の境遇は決してよいものとはいえませんが、ここでの修行の日々を思い出してぜひがんばっていただけたらと、心からそう思っております。