本書の評価が低いとしたら、あまりにも自明なことばかりが書かれているせいだろう。
「既知のことばかりで読む意味がない」という理由で書籍の評価を低くしてしまう読者もいるのは理解できるが、「知っていること」と「わかっていること」は同じではないことをもう一度考えた方がいいと思う。
健康に関する知識というの
...続きを読むは現代では広く一般に知れ渡っているが、実行できてる人がどれほどいるだろうか。
たとえば喫煙が身体に悪いと今や子どもでも知っている。それなのに、大人たちはいまだに禁煙できなかったりする。
そんな人たちが本当に「喫煙が身体に悪いとわかっている」といえるのだろうかと僕は思う。
本当にわかっている、理解しているのなら、人はその行為から離れるはずではないだろうか。殺人は悪いことであると「わかっている」から、誰も殺人なんてしない。それと同じだろうと思う。本当の意味でわかっていないから、禁煙できないのだろうと思う。
だからこのような健康本は書かれた情報が当たり前すぎたとしても、決して意味がないとは僕は思わない。戒める意味で、再確認する意味で読む。
そうして書かれたことを実行する。ひとつでもふたつでもいい。そうやって少しずつ健康になれれば、充分に読んだ意味はある。