作品一覧

  • イランの野望 浮上する「シーア派大国」
    5.0
    1巻715円 (税込)
    2015年7月、欧米諸国との核開発問題協議が劇的な「合意」に達した。これによって、イランは国際社会のキープレイヤーとして大きく浮上する。シーア派イスラム大国として中東地域の「勝ち組」となり、「反米」というスタンスを利用しながら諸外国としたたかに渡り合い、シリア情勢の「黒幕」として暗躍するイラン。特派員として現地に駐在し、政治状況から庶民のメンタリティにまで精通する著者が、世界情勢を読み解くポイントとなるこの国の「素顔」と「野望」について詳細にリポートする。【目次】はじめに/第1章 シーア派大国への野望/第2章 核開発問題協議――「合意」へのプロセス/第3章 うごめく諸外国の思惑/第4章 「反米」の表と裏/第5章 等身大のイラン社会/第6章 日本はイランとどうつき合うべきか/おわりに
  • ヘイトクライムとは何か 連鎖する民族差別犯罪
    4.2
    差別感情を元にした「犯罪」がより過激化している。最前線の現場で取材を続ける記者が、在日コリアンを狙った2件の放火事件を始め、脅威を増すヘイトクライムがなぜ生まれるのか、社会背景を探る。更に関東大震災時のジェノサイドから現代のヘイトスピーチまで、連綿と続く「民族差別」の歴史から差別の構造を解き明かすルポ。 【目次】 まえがき 第一章 ヘイトクライムの転換点――ウトロ放火事件 第二章 連鎖するヘイトクライム――コリア国際学園放火事件 第三章 脈々と続く差別という「暴力」 第四章 一〇〇年前のジェノサイド――関東大震災時の虐殺 第五章 ヘイトクライムの背景 第六章 ヘイトクライムとどう向き合うか 第七章 ヘイト解消への希望、共生 あとがき 主要参考文献一覧

ユーザーレビュー

  • ヘイトクライムとは何か 連鎖する民族差別犯罪

    Posted by ブクログ

    手に取ったときはもっとグローバルな話を想像していたが、本書が取り扱うのは国内の在日コリアンに対するヘイトのみだった。とはいえ内容は濃く、非常に考えされられる内容だった。憎悪のピラミッドによると、差別行為や暴力行為の下地の上でジェノサイドがあるのだという。「何を大袈裟な」とも一瞬思ったのだが、改めて考え直すとたしかにと納得。ネトウヨや陰謀論者はブロックやミュートしまくっているので自分のアカウント上に表示されることはほとんどないが、野放しにしておくのはそれはそれで危険な状態なのかもしれないなあと思った。かといってSNS上で下品なヘイトスピーチを撒き散らす連中を具体的にどうすれば良いか、というのはわ

    0
    2025年05月29日
  • ヘイトクライムとは何か 連鎖する民族差別犯罪

    Posted by ブクログ

    極めて不快だった。もっと気分を害する人が出てきてもおかしくないと危惧した。
    本を読むだけでそう感じるのだから、ヘイトクライムというのはやはり凶悪でしかない。

    元々ヘイトクライムは、黒人差別撤廃を求めた公民権運動が発端で誕生した概念。著者曰く、一般的な定義としては「人種や宗教など特定の属性を持つ個人や集団への差別意識をもとに実行される物理的暴力・いやがらせ・脅迫」を指す。
    「ヘイトクライム」と聞くと、自分の場合は海外で蔓延るアジアンヘイトを連想するが、本書は日本国内における在日コリアンへのヘイトクライムに焦点を絞っている。

    「私たちの社会は100年の間、一体何を学んできたのだろうか」

    読み

    0
    2023年12月27日
  • イランの野望 浮上する「シーア派大国」

    Posted by ブクログ

    イランという国に馴染みのある日本人はそう多く無いと思うが、カスピ海とペルシャ湾を結ぶ一体に日本の4倍以上の国土、さらには9000万人近い人口を持つ中東最大規模の国だ。世界史好きな人はかつてこの地に存在したペルシア帝国や、サファビー朝、ウマイヤ朝、アッバース朝などアフリカ北部、地中海沿岸までの広大な土地を支配する大帝国のイメージが強いだろう。現在のイランの場所も中東の石油を求める世界各国にとっても、イスラム圏東西の横断にも、交通の要所となっている。石油や天然ガスの埋蔵量はロシアすらも凌ぐほどで、日本人から見たイランのイメージは薄くても、世界各国から見たイランの重要性たるやかなりの存在感を示してい

    0
    2023年10月28日
  • イランの野望 浮上する「シーア派大国」

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最近大統領選挙があったイラン。

    穏健派の現職、ロウハニ大統領が57%の得票率で勝利。
    保守強硬派のライシ師の得票率38%。(時事通信)

    保守強硬派がよく集会でコールする「アメリカに死を!」の理由が理解できる一冊。

    そりゃ言いたくもなるな!と読みながら思いました。
    今度はアメリカ側のイランに関する本を読みたくなりますね。

    0
    2017年05月21日
  • ヘイトクライムとは何か 連鎖する民族差別犯罪

    Posted by ブクログ

    ヘイトクライムとは民族差別犯罪の事で、ヘイトスピーチなどがエスカレートしていくうちに引き起こされる。在日朝鮮人への差別がなくならないのはなぜなのか。ウトロ放火事件の犯人は在日朝鮮人に会ったこともなかった。ネットの情報を鵜呑みにして犯罪を起こした。集団化すると事の善悪が判断できなくなってしまう典型。ヘイトを解消するには、正しい情報とコミュニケーションが大事。著書の二人は新聞記者で、差別事件をきちんと取り上げてこなかったメディアの責任に言及している。
    どこの国でも差別問題はあるだろうが日本はその解消に向けてどんな努力をしてきたのか。ヘイトスピーチのデモを自分たちの地域に入れさせなかった多くの日本人

    0
    2024年02月20日

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